チリメンモンスター、通称「チリモン」は、チリメンジャコに混じって見つかる小さな生き物で、きしわだ自然資料館の有志が名づけました。遊んで学べる環境学習として、チリモン探しは全国の学校に広がりをみせています。その内容を写真を用いて楽しく紹介。
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
載せた写真は、館での「チリモン部会」の会議のあとに、本の帯用にとチリモンメンバーで集まって撮った写真の一枚です。
このコーナーに載せるメンバーの写真を、と偕成社の方に言われたとき、ほんとうは、チリモンさがしの実習現場の写真をのせようと思いました。そこで、館での実習や、いろいろな小学校や公民館、水族館などへ出張実習にいった際に撮影した写真から選ぶべく、2000枚近くあるデジカメデータをさがしたのですが、メンバーの顔がまともに撮れたものは、じつは一枚もないことに気づきました。
なぜなら、チリモンさがしの実習では、メンバー全員、それぞれが子どもたちにとりかこまれ、後頭部しか写真に写らないからです。たまに顔全体が写っているものがあっても、急に振り向いたのか、ぶれているものばかり。メンバーの顔がまともに写っているものは、一枚もありませんでした。
チリメンモンスターの現場は、いつもこんな感じです。「おもしろい!」「たのしい!」「もっとやりたい!」と目を輝かせる子どもたち(ときにはおとなも)に、チリモンを通して、もっといろいろな生き物のこと、海のことを知ってもらいたいという気持ちにあふれたチリモンメンバーが、参加者の近くによりそい、説明し、ぎゃくに、参加者の興味や、素朴な疑問に共感する。このくりかえしが、この本をつくる力にもなったのです。
この本には、チリモンのおもしろさだけではなく、わたしたちチリモンメンバーのもつ空気までもが、いっぱいつまっています。この本を読んでくださる皆さんに、その両方が伝われば、こんなにうれしいことはありません。
わたしたちの拠点の博物館「きしわだ自然資料館」は、「だんじり」という祭りが名物の大阪府岸和田市の街なかにある小さな博物館ですが、すてきなメンバーがたくさん集う場所です。チリモンが生まれた場所の雰囲気を感じたい方は、ぜひ、岸和田まで足をはこんでください。うまくいけば、チリモンメンバーにあえるかも。(きしわだ自然資料館 風間美穂)