

山に暮らす著者が、四季を通して家のまわりでの鳥たちの巣作りや子育てを絵日記風につづった、鳥の巣の不思議に心うたれる絵本。
1952年、東京都に生まれる。東京藝術大学中退。「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さしえ賞を、『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。おもな絵本作品に『みんなで!いえをたてる』『ピン・ポン・バス』『ざっくん!ショベルカー』『ねこのおすしやさん』『せんろはつづく』『どうぶつのあかちゃんうまれた』『だんろのまえで』などがある。また鳥の巣研究家として『鳥の巣研究ノート』『鳥の巣みつけた』『鳥の巣の本』『世界の鳥の巣の本』『鳥の巣いろいろ』『ふしぎな鳥の巣』『鳥の巣ものがたり』『ツバメのたび』『ぼくの鳥の巣探検』『世界の鳥の巣をもとめて』などの著書があり、全国で鳥の巣展覧会を開催している。
★刊行時に寄せられたメッセージです
以前から、同じ構図で、自然の四季の変化を描きたいと思っていました。同じように、人が見過ごしてしまうような小さな場所で、鳥たちが巣を作り、卵を産み、ひなを育て、小鳥たちが巣立っていくという、こと細かな鳥たちの暮らしも描きたいと思っていました。
前者は大きな地球の動きを感じること、後者は個々の小さな生命の動きを感じることです。
そして、そんなふたつの動きは、別々にあるのではなく、この地球の上で関わり合いながら進んでいる、そんな世界を同時に表現したく、こんな形の絵本ができました。
人が暮らしている日常の世界と同時に、四季は変化し、小さな生命も生きています。
これは、ぼくの住む山の中だけのことではなく、大きな都会や小さな町、遠い遠い外国の地でも同じことだと思います。
もし、この絵本を見た人が、同じようにいつでもどこででも、まわりの自然や鳥や動植物の暮らしに興味をもってくれたら、うれしいかぎりです。(鈴木まもる)