おばあちゃんの部屋には、女の子の絵がかざってある。「この子はだれ?」って聞いてみたら、「この子は、あたしよ」って教えてくれた。
びっくりするわたしに、おばあちゃんが話してくれたのは、海辺のアトリエに暮らす絵描きさんと過ごした夏の日のこと、おばあちゃんにとって、いつまでも色あせない、特別な思い出だった。
少女がのびのびと心を解放することができた宝物のような日々を、まるで映画のシーンのように見応えのある絵で描いた魅力的な絵本。
受賞歴:
子どものころ、近所に住んでいた女性の画家の先生に絵を習っていました。
天井の高い、静かなアトリエに一人で暮らしていたその人は、わたしにとってはじめての、子どもを〝子どもあつかいしない〟おとなでした。
ちょうど、この絵本に出てくる〝絵描きさん〟みたいな人だったのです。
わたしは、おとなになって画家になりました。
でも、もし、そうならなかったとしても、やはり、わたしには影響の大きい人だったと思うのです。
堀川理万子
中日新聞の「中日こども文庫」を読んだ両親が、孫のために郵送でプレゼントしてくれました。コロナ禍で両親になかなか会えませんが、記事を見てオススメ本を送ってくれました。娘もとても喜んでいました。本は1つ1つの絵も内容もとても素敵でお洒落で、子供から大人まで楽しめる1冊だと思いました。インテリアとしても楽しめる本だと思いました。(5歳・お母さま)
クレヨンハウスで「MOE」の書評をみて「この本!」と思いました。幼いころ家があれていて、平和でなく、感受性ばかり強かった私。その私の1年で一番の楽しみは夏休みにいく湘南の祖母の家でした。やさしさと、楽しさであふれる1週間。毎日のスイカと花火、江ノ島でおよぐこと…そこには痛いことも、悲しいこともなく、朝からねむるまでいとこ2人と、遊び100%の世界でした。今も自分が形つくられたのは、あの日だと思い、心の中に大切にしまっています。そんな日々をあざやかに思い出しました。ステキな本ありがとう。(60代)
新聞やSNSでよく取り上げられているのを目にして、気になり購読してみました。内容が素晴らしかったです。現代人の多くは少女(おばあちゃん)のように窮屈に生きてる人が多いと思います。いつの間にか心の開き方を忘れてしまい、閉ざしたままただ日々を過ごしている…。そんな人たちの手助けとなりそうなヒントが詰まってる気がしました。(7歳・お母さまより)
同じような体験をしていないのに、なつかしくて、せつなくて、なぜかとてもあたたかい気持ちになって……。緑(本の扉というのでしょうか)とぬけるような海のブルーに広大無限に広がりを感じて、本を閉じないで開いて部屋においてます。実体験していないのに高齢者といわれる年になって追体験している感じです。堀川理万子さんてどんな方かとか他の作品も知りたくなりました。(読者の方より)
自分のために買いました。私も絵を描いていて、画家を目指している者です。この絵本で語りかけられた言葉が、そのまま私の心に届いてちょっと落ちこんでいた気持ちが救われたなあと思い…サプリメントのような絵本でした。絵もことばも、人間にとってかかせない「栄養」で「太陽」で、よりそってくれる存在。ありがとうございます。と伝えたくてメッセージ書きました。私も私がかける絵と物語を描いて、何かを伝えたいです。がんばります。(読者の方より)
こんな老後を過ごしたい。こざっぱりとした部屋で孫に自分の転機を語りたい。素敵な思い出。それも一人の人として接してもらえた充実感を初めて知った日々の輝きを海と画家とゆったりとした時が心の波のように届いてきました。仕事や雑多な物に囲まれ、なかなか断捨離できない私の部屋からこんな素敵な話を、孫に語れるだろうかと…。ちょっと考えました。(60代)
堀川理万子さんの水彩画教室に通っていました。(その後、2020年に、そのお教室の母体のカルチャースクールが閉校してしまいました。)なので、理万子先生のお人柄も多少存じ上げており、にこやかで、かわいらしくて、ピュアで、子供の心を忘れずにいるのが「海のアトリエ」で、思いっきりスパークしているような、キラキラした思いが、こちらにも伝わってきます。先生のヨーロッパのような色合いと、アメリカの近代のような白い空間が好きでした。江國香織さんが選ぶのもうなずけます。(50代)
緊急事態宣言解除の10月、好天にさそわれるまま文化村ミュージアムへ足を運び、入口でこの絵本の原画ドゥマゴ文学賞受賞を知り、地下1階の本屋さんで買い求めました。「このことをずっとおぼえていたいってそんな日がきっとあなたをまってるわ」の言葉。まさにこの本を買った日が私の忘れられない日になりました。コロナ渦、こんなすてきな偶然がどれだけ失われてきたか…大切なことを思い出させてくれた本です。(50代)
絵本を読むことは勿論子どもの頃から好きで大人になってからも手に取り購入したものです。「絵本は文学である」をこの「海のアトリエで改めて教えられたと思います。まさに「絵が言葉になっている」との記事で知った通り堀川理万子さんの絵は言葉以上の物語を語っていました。これから私の役割は曾孫に話し続けてやることだと思いました。(80代)
本当に全部がすてきな絵の本でした。江國香織さんが言っている様にいつまでも何回も見たい本です。コロナで疲れて暗い気分になる今、とても優しい気持ちになれて静かにふるさとの小樽の海を想ったりします。想像する時はどこまでも自由です。本当に本は今とても大切なものだと思います。堀川さんの本これからもさがして行きたいと思います。(60代)
息子がイヤイヤを爆発させて途方にくれていた時に読んだところ、落ちつきを取り戻して2人で絵本の世界をたのしみました。小学生だった頃、隣の家のおじさんが美大の先生で小さなアトリエを持っていました。私はそこへ行くのが大好きで、おじさんが金属で作る葉っぱをいつまでも眺めていたり、何をするわけでもなくぼーっとしていました。何の理由もなく、ただそれが心地良いという感情に初めて出会った、私の大切な思い出です。(4歳・お母さまより)
心身のバランスを崩し、好きだった仕事を辞めて、これから、私は何をしていけば…何者になるのか…不安と期待が入り交じるこの5月、誕生日に母から贈られたのが、この絵本でした。『人はだれでも、心の中で物語を作ることができるでしょ。だれでもみんな、心の中は自由だから。』という言葉に出会ったとき、私の心の中で、私の物語を描きはじめることが出来た様な気がします。32回目の誕生日に、この本と出会えたことに心から感謝しています。この先の人生においても、ずっと大切にしたい本です。ありがとうございます。(30代)
あの日のことをずっとおぼえていたいと想える日に出会えていることを思い出せた1冊です。未だ購入して2日目です。ただ字を追ったり、ただ絵をながめたり、ある時はじっくりと読みこんだり。色々な向き合い方をさせてもらえる予感がしています。絵描きさんは、私と同じような年齢でしょうか? この本を読むと、本のなかの女の子の頃に戻った自分の感覚で、1週間に触れられている気がしています。なにかに追われたとき、生活のなかに私を引き戻してくれる本になってくれるのではないかと、そんな気がしています。(30代)
絵のタッチが素敵で最初は4歳の娘にと購入しました。娘へ手渡す前に読んでみると、これは9歳の娘への本だな、と。反抗期に差し掛かり、どうしても上から注意をしている自分にふと気付きました。子どもを子ども扱いするのを卒業すべき年齢になっているな、と気付かせてくれたこの本に感謝を忘れぬよう何度も読もうと思いました。(4歳と9歳・お母さまより)
一緒に暮らしている恋人からプレゼントしてもらいました。クリスマスが近く、彼が彼の家族とプレゼント交換(1000円くらいの)をすることになり、絵本をプレゼントすることにしたそうです。本屋さんで探している時、この本は私が好きだろうと一緒に買ってくれたようです。おだやかなリズム、温度、静けさが心地良かったです。(20代)
モヤモヤした気持ちが、何だかすっきりするお話ですね!息子だけでなく私も楽しませて頂きました。真に心の栄養となる、すばらしい作品をありがとうございます!!(11歳・お母さまより)
丸ノ内オアゾで原画展を見て、これは大人も楽しめそうと直感して購入しました。特に黄色いランプの下で、ふたりで好きずきに本を読んでいるシーンが好きです。今からでも、そんな部屋に浸ってみたいなあ、と思いました。読み返します。(40代)
「映画のような絵本」という帯にひかれて手にとりました。人生に良くも悪くも影響をあたえる出会い。でもずっと心に残るのは自分にとって良い影響をあたえてくれた出会いなんだろうなと思いました。息子にも心に残る出会いがあることを願います。私のこれからの人生にも。楽しみです。(40代)
大人のための絵本だと思いました。心の情景をとても良くあらわしていると思います。ブランデーでも片手にゆっくり飲みたい気持ちになりました。(70代)
その人の一生に深く刻まれる、特別な人との出会い。その思い出が丁寧に描かれている。こうした濃密で得がたい出会いは、本当に貴重である。(50代)
1度目にざっと読んだ時は、こんな出会いが自分にもあったら、うらやましいなあ、と感じたのですが、家でもういちどじっくりと読み終えたら、自分自身にも忘れられない人との忘れたくない時間がいくつも思いうかぶことに気付き、うれしくなりました。視界も開け、心も開いてゆくような素晴らしい絵本ですね。(50代)
本屋で素敵な絵にひかれて購入しました。主人公のような体験を、私もしてみたかったなぁと思うと同時に、自分も読んでいて同じ体験をしている気分になれました。もうすぐ2歳になる娘にはまだ少し早いかもしれませんが、もう少し大きくなったら自分でゆっくり読んでほしいです。主人公のように、自分とゆっくり向き合う時間をもってほしいです。(1歳・お母さまより)
リビングにこの本を置いて、心がざわつくときページをひらいています。私もいっしょに海辺のアトリエで過ごしているように、静かで、なんだか豊かででもちょっぴりどこかさみしいような、そんな気持ちになって落ちつきます。そしてページをめくるたびに「わたしもこんな絵描きさんのように生きたい」と思います。毎日いそがしくて、自分を見失いそうになるとき、心の芯となってくれる大切な本になりました。(40代)
北海道の小樽の海で育ちました。ひとりでさみしかった時に、こんな大人が居てくれたら、と思いました。今の年齢になっても、この本を読んだら、子供の時さみしかった気持ちを救ってくれたように思いました。ありがとうございました。あたたかいインテリアや、海の眺めや、かわいい黒猫。私の好きなものばかりが詰め込まれた素敵な絵本でした。(50代)
新聞記事を読み興味を持ったので図書館で借りてみて、気に入ったので買いました。孫に「この本好きだから買ったの」と言ったら、6歳の孫も「私も好き」と言ってくれました。心が暖かくなる本ですね。(60代)
幼い頃、近所に住むおばちゃんが大好きでした。ずっとあとで知ったことですが、そのおばちゃんは近所の大人社会の中では困り者だったようです。でも母やほとんどの大人が子供をわくにはめるような見方をしがちだった中でそのおばちゃんは私を子供扱いせず、いろんなことを教えてくれました。子供が心の中にあるパレットに色をおとし混ぜてくれるのは、親兄弟姉妹以外の誰かの存在が大きいのかもしれません。そしてその色はずっと心に残ります。私も大人社会では困り者かもしれませんが、誰かのほっとできる場でありたいと思っています。(60代)
絵を描いています。この絵描きさんの暮らしは、私のあこがれ、そのものでした。この絵本に出会えたことが私にとって「すばらしいであい」となりました。最後のことばは人生のお守りにしたいくらいステキです。(20代)
すてきな本をありがとうございました。うらやましいような夏休みの日々。でもどこかで経験したかのような懐かしさも感じました。家から海辺までうき袋を腰にかけて行った夏の日を。色もインテリアも素敵で、まん中のページの海のシーンには思わず深呼吸をしてしまいました。こんな絵本、又、読んでみたいです。(60代)
2冊目です。とても気に入って、なつかしくて(体験していないのに)心の深くが、ゆたかに、うるおうような、静かに元気になるような。毎日めくっていると、よごれてくるので2冊目購入。70代に入りましたが“若草物語”“アルプスの少女ハイジ”等大好きな乙女です。(読者の方より)
以前から好きな方の作品なのですが、今回は書影が出た時から惹かれていました。本屋で見つけ、中は見ることなくそのままレジへ。帰宅して、そっと扉を開くと中には私の好みの女性に、好みの生き方に、好みの暮らしに、好みの女の子。私は小さい頃にこんな大人に出会うこともなく、このような大人にもなれなかったけれども、大人となったこの歳でこの絵本に出会えて嬉しく思います。部屋の中の、いちばん見えるところに置いています。(50代)
仕事柄、書籍をよく見ていますが、最近絵本にかかわることが多くなり、絵本コーナーを観察していたら、すてきな表紙(ロゴが特に好き)だったので手にとり、開くともっと好きになり、購入しました。帰宅後、じっくりと読んだら、ますます好きになり、買って良かったと思いました。大人になって初めて絵本を買いました。(40代)
水彩画の参考にさせていただこうと手にとりました。細かいところまで描き込まれていて、1ページごとに時間をかけてじっくりと見ていても飽きません。懐かしいような憧れの気持ちになる絵です。色彩も素敵です。開いて部屋のインテリアとして飾っています。(60代)
新聞の記事で紹介されているのを見て購入しました。1度目に読んだ時は、当時子供だったおばあさんの目線で、「こんな大人になりたいなあ」という気持ちになり、2度目を読んだ時は絵描きさんの目線になり、「心のおもむくまま、ありのままの自分でありたい」という気持ちになりました。こんなおだやかな時間(空間)を過ごしてみたいと思わせてくれる本です。すてきな本をありがとうございます!(20代)
書評で知り、1ヶ月後に購入しました。職場の人間関係で退職し、辞めてなお苦しく癒しを求めていました。キャリア、学ぶ意欲もなく、日々苦しさの中にいるしかない日々でした。安まる気持ちが持てない中、この本は子供の頃、海を目の前にした時のワクワク感、自分も少女から大人になる間の、ノスタルジーを思い出させてくれました。何より、私自身も、この少女が得た素敵な空間にいる気持ちになれました。(50代)
何気なく足を運んだ美術館で絵本展が開催されていました。気楽に展示室に入りましたが、どれも素晴らしい絵で印象深い本で、ニヤッと笑ったり涙が出たり…すっかり魅せられてしまいました。1冊だけ、1冊だけ本当に気に入った本を選んで購入しようと、ショップで延々と悩み決めたのがこちらの本でした。この歳でも、(この歳だからこそ?)悩み、まだまだ迷いばかりです。そんな自分の手元に置いておきたいと心から思いました。素敵な本との出会いに感謝です。(40代)
普段は娘(6歳)の為に絵本を買いますが、この絵本は自分(44歳)の為に買いました。母の友で紹介されていて、図書館で借りてみて、手元に置いておきたいと思いました。「その日は、あたしもおよがなかった」の一文と海をみつめる二人の女性の姿に心をもっていかれました。(読者の方より)
とても居心地良くなる絵本でした。ソファでねこをなぜながらすわってる女の子の絵がすごく好きです。かわいい。心がゆったりして力が抜けます。たのしかった。ありがとうございます。(50代)
保育園に長年働いていたので絵本が読みたくて注文しました。年齢と共に文字が見にくくなりました。『海のアトリエ』は文字、絵がほど良くて楽しく心が和らぎ、何よりもとても幸せな気持ちになれました。繰り返し読みたいです。(70代)