動物のうんちを見て、なんの動物のものかを当てるクイズの本。うんちの写真は、元上野動物園園長の小宮輝之さんが、40年にもおよぶ動物飼育の経験のあいだにこつこつ撮影したもの。うんちは、食べ物の色を反映していたり、未消化の甲虫の羽、植物の種子や繊維がまざっていたり、色や形もさまざま。また、動物のうんちは、ライバルやメス、ほかの群れなどとのコミュニケーションをとるはたらきをすることもある。説明やヒントをたよりに、だれのものか当ててみよう! 答えのページでは、その動物の生息環境や生活を紹介しながら、うんちの特徴や持つ意味も解説。クイズに答えていくうちに、うんちの特徴が、食べ物や生活に関連していることがわかる。
動物の排泄物に関する児童書はいくつか出版されているが、本書ほど詳細に書かれているのははじめてのような気がします。形状や色はその動物の食物の特色を良く表しているし、排泄物の実物を見ただけでその動物の種類や健康状態を識別する学者もいるほどで、サバンナ等で特定の動物の追跡等に大変役立っていると聞いている。子供達にも「ウンチ」としていやがらずに今後興味をもってほしいものです。(80代)