町はずれの寂しい道に、ポツンと1本の木が生えていました。もう何年もそこにいましたが、ずっと小さいままでした。あるとき、1匹のみすぼらしい犬がやってきました。「ぼく、家出したんだよ。これから、じぶんのすきなところへ行くんだ。きみも、いっしょに行こうよ」。そういわれた木は、初めて根っこを「よっこらしょ」と土から引き抜いてみました。すると、なんと歩けるようになったのです! さあ、ここではないどこか、「じぶんがすきなところ」をもとめて、冒険の旅に出発です!
とちゅうで岩と沼も加わり、歩みもバラバラな異色の4人が、山あり谷ありの道を一歩ずつ進んでいきます。スタンスタン、イッポイッポ、ゴロンチョゴロンチョ、ポチョンチョポチョンチョ。
はたして、みんなの「じぶんのすきなところ」は見つかるでしょうか?
受賞歴:
いくつになっても持ち続けたい自由な気持ち、大切ですよね。心に羽があれば気持ちだけでも旅に出られる。そんな気持ちになる素敵な本でした!!ラストのみんながいっしょではないところも共感できました。ありがとうございました。(60代)
角野さんのファンです。おさえられた色調で、木と最後のページだけ色がついています。各々の新しい旅立ちに勇気をもらいました。“自分のすきなところで生きる”いいですね。(60代)