はるちゃんは植物が大好き。毎日、庭で花や草木を眺めて過ごします。今日は1番好きなスミレの花を鉢に植え替えて、部屋に持ちかえりました。これでずっと一緒にいられます。
今夜は月が紫色にかがやく特別な夜。月の光が、部屋の中も紫色に照らしだします。すると……鉢に植えられていたスミレの花がむくむくと動きだし、「はるちゃん、遊びましょう」。
さあ、夜のお散歩のはじまりはじまり。
植物たちは根っこで対話している。身近な自然の中の不思議な営みを、ファンタジックな世界観で子どもたちに優しく伝えます。はるとスミレに誘われて読みすすめるうちに、気づけば植物たちの声に囲まれているような、そんな感覚を覚えます。
リソグラフの手法を用いて、瑞々しくグラフィカルに描かれた画面も魅力的です。
受賞歴:
<刊行時の著者メッセージ>
あなたの好きな花はなんですか?
わたしは、道端の草も木も、
植物はみんな好きです。
彼らは、犬や猫と違って動かないですし
わたしたち人間とはずいぶん違う生き物です。
好きって気持ちは届いているのかしら。
もっと植物たちを知りたい、感じたい。
そんな気持ちから生まれたのが「はるとスミレ」です。
想像してみてください。
地中の根っこたちを。
いつもの景色が、なんだか違って感じられませんか?
ぜひ、
はるちゃんのように
はだしになって野原を歩いて、
植物たちを、地球を感じてみてくださいね。