少女がバイソンに出会ったのは4歳の春の日。少しずつ心を通わせていったふたりは、それからながい時間をともに重ねていきます。いくつもの冬を越えてつづくしあわせな時間……。ですが、ある冬の雪の日、バイソンは現れませんでした。喪失と、そのあとにおとずれる心のやすらぎを優しさのなかに描いた絵本です。フランス、ル・モンド紙書評で、「このガヤ・ヴィズニウスキ初の絵本は、絵も言葉も繊細で洗練され、まぶしいばかりに美しい」と激賞。
訳者・清岡秀哉さんのコメントを下記よりお読みいただけます。
動物が好きなので興味をひかれて買いました。思っていたのと違いましたが、めちゃめちゃ良かったです。墨色のこわいバイソン。目がとてもかわいい。そして本当にかしこそう。静かで苦くてよかったです。何回読んでも最後のこころにきこえるこえのところで泣きそうになります。死別や別離の経験があってもなくても、大切な人がいる人はだれでもすごく心にしみると思います。大切な本になりました。(50代)
バイソンが好きで手にとり、一読して、迷わず購入しました。静かであたたかい絵が見ていて落ち着きます。夜眠る前に孤独な気分になった時、この作品を読むと、バイソンがただ黙って同じ時間を分かち合ってくれているようで安心します。大人になってから自分のために絵本を買ったのは初めてなのですが、この作品はとても大切な宝物になりました。(20代)
沖縄でたったひとりの友が昨年七月に急死しました。信じられない寂しさで思い出せば今も涙があふれます。この度『わたしのバイソン』をプレゼントしてくれたのはその友の娘さんとお孫さんです。老いた女性がバイソンを思って生きているのがまるで私のようです。絵本の好きな私にこの本をくださったことが嬉しかった。これからもやさしく胸うつ絵本をたくさん作ってください。(80代)
表紙が目に飛び込んできてもう目が離せなくなりました。大きな動物がそばにいる。憧れと同時に恐れを抱きます。でもものすごく惹かれてしまう。この静かで優しくて、神聖な物語が大好きです。特に「バイソンはときどきなんにもいわない。しずかでかしこいバイソン。」の頁が好きです。(40代)