ポーランドの昔話の再話。昔ポーランドの首都だった(現在はワルシャワ)クラクフにある、ヴァヴェル城にまつわるお話で、観光ガイドさんは、お城の下にある大きな穴の説明をする時、このお話をします。このお城の地下に、いつのころからか住むようになったりゅうは、大きくなって、動物も人もまるのみしてしまい、ひとびとから怖れられていました。とうとう困った王さまは「恐ろしいりゅうを退治したものは、王女と結婚できる」というおふれをだしました。ところがたくさんの強そうな男達がかかっていっても、あまりの恐ろしさに逃げ出してくる始末。お城に住むかしこい靴職人のドゥラテフカが、智恵を絞って、りゅう退治にのりだします。おそろしいりゅうも、どこかユニークで、のびのびとしたイラストで描かれた昔話です。
りゅうを退治した賢い少年ドゥラテフカは、お城のくつ職人。王女さまと結婚した後も、退治したりゅうの皮を使って、城じゅうの人にくつを作ってあげる、という最後がとても好きです。
クラクフのりゅうの伝説については主人がクラクフに留学していましたが、詳しいお話は知りませんでした。新聞でこの絵本のことを知りました。文章も絵もかわいらしくてこの絵本に出会えてとても嬉しいです。(50代)