春の訪れを教えてくれる、一羽の小鳥。夏の海べで食べる、しょっぱいピーナッツバターサンド。秋の風を感じて、きゅうに恋しくなるセーター。冬の日あたたかい部屋でゆっくり過ごすしあわせ。──なんでもないふつうの日の、トクベツな一瞬のきらめきを、女の子のまっすぐな目でみつめ、日記に書き留めたような詩が48編。翻訳を手がけたのは、巧みな言葉遊びでも知られる、詩人の石津ちひろさん。原詩の世界感をそこなうことなく、うつくしい日本語におきかえた。ずっと眺めていたくなる、季節の詩情あふれる絵とともに、大切な宝物になりそうな一冊。
1953年、愛媛県に生まれ。著書に『なぞなぞのたび』(ボローニャ児童図書展絵本賞)『あしたうちにねこがくるの』(日本絵本賞)『あしたのあたしはあたらしいあたし』(三越左千夫少年詩賞)『なぞなぞのへや』『しりとりあいうえお』『くだものだもの』『サーカスのしろいうま』など多数。訳書に「リサとガスパール」シリーズなどがある。
緑のトマトが赤くなるころ、生命が満ちあふれている夏のこと。寝ているあいだに、この冬初めての雪がつもった朝のこと。──すぐに忘れてしまいそうな、でもかけがえのない一瞬を書き留めた詩の絵本。