ツイグリーさんは、木の上のおうちに住んでいます。木の上のおうちには、大きなソファーやテレビもあり、ツイグリーさんは好きなことだけをしてくらしていました。そんなツイグリーさんを、町の人たちは、「かわりもの」と思い、木の上のおうちをなんとかしてやりたいと考えています。そんなあるとき、大雨が町をおそい、町は一面、海のようになってしまいます。その大海原のまんなかに、どうどうとそびえたっていたのは、ツイグリーさんの木の上のおうちでした!
アメリカで50年間、世代を超えて読みつがれてきた、心があたたかくなるお話。
受賞歴:
訳者のことば
この本の素晴らしいところは、助けてもらった町の人たちの意識が変わるだけでなく、ツイグリーさん自身も、町の人たちを助けることで、大切なことに気づくという結末です。相手を助けること、受け入れることは、自分を犠牲にすることでも、損をすることでもなく、自分自身と、社会をより豊かにすることへつながる——そんなメッセージが、やさしく伝わってきます。
アメリカでの初版は1966年、1994年に復刊され、『きのうえの おうちへ ようこそ!』は、今も世代を超えて愛されつづけています。初めて読んだとき、大洪水という災害を描いているのに、なんて楽しく、幸福感に満ちた作品なのだろうと胸をうたれました。翻訳出版は難しいかもしれないと思った時期もありましたが、こうして日本の子どもたちに紹介することが叶い、うれしくてなりません。
豪雨で水浸しになった町の映像や、避難所についての報道が、近年とても多くなったように感じます。その中には、小さな胸を痛めている子どもたちも、たくさんいることでしょう。本書、『きのうえの おうちへ ようこそ!』が、助ける側、助けられる側、どちらの心にも寄り添う作品になれば幸いです。
おびかゆうこ
娘宅の庭にツリーハウスと呼んでいるウッドハウス(子供用)があり、そこで遊ぶのが大好きな孫達を思い浮かべて楽しく読みました。世の中にはいろんな人がいる、という事、大雨でも高いところにあるツリーハウスが良かった事など、ストーリーもおもしろく、気に入りました。クリスマスプレゼントに送ります。(7歳・お母さまより)
木の上に家を作って住むなんて、世界中の子供達のあこがれじゃないでしょうか!絵もとても良いですね。孫に読み聞かせとても喜んでいました。今はツリーハウスにワクワクしているようですが、最後のツイグリーさんが気がついた大切なこと(人生にとって!)も心の奥に積み重ねられていってほしいと願って、今日も読み聞かせしています。(60代)
小学校低学年での読み聞かせの本を探していてみつけました。以前に作りかけの木の家をみせてもらって、憧れたことがあり、手にとりました。子供たちに読むのを楽しみにしています。あのツリーハウスは完成したのかしらと思ったりしています。(70代)
学校司書をやっています。小学生へのよみきかせで使いました! 心のふれあいが描かれててよかったです。あたたかな気持ちになりました。(読者の方より)