1869年、夏。ひとつの家族がアメリカ大陸の東から西へ向かって旅立った。開通したばかりの大陸横断鉄道に乗って! 横断鉄道は1862年アメリカ南北戦争の真っ最中に計画され、2つの鉄道会社によって建設が進み、1869年に完成した。これにより東のオマハから西のカリフォルニアまで、えんえんと馬車でいくか、船でアメリカ最南端の岬を回る船でいくしかなかった旅が、たった4日にちぢまった。力強い蒸気機関車の登場と大陸横断鉄道の開通はアメリカの生活を大きく変えたのだ。その横断鉄道の旅と蒸気機関車を、臨場感あふれる迫力ある絵で描いた絵本。蒸気機関車についての解説付き。アメリカの権威あるコルデコット賞受賞作品。
アメリカ、テキサス州生まれ。1991年ブラウン大学卒業(歴史と美術を専攻)。在学中にロードアイランド・デザインスクールでデザインを学び、そこで出 会った著者アヴィの小説『光の街、闇の街』(未訳)に描いた挿し絵で注目される。翻訳作品に『ポピー –––– ミミズクの森をぬけて』(アヴィ・作 あかね書房)などがある。本書は、2010年の「ロバート・F・サイバート知識の本賞」(良質の児童向けノンフィク ションを対象とした賞)で次点となった。現在、ニューヨーク州ブルックリン在住。
1954年千葉県生まれ。青山学院大学理工学部卒業。出版社勤務などを経て、現在は幅広い分野の翻訳家として活躍。日本推理作家協会会員。主な訳書に『ワレンバーグ』『ガリレオ・ガリレイ』、『ファーストマン ニール・アームストロングの人生』、『アポロ11号––––月面着陸から現代へ』『サイエンス大図鑑』などがある。
息子は3歳9ヶ月。まだ字は読めないけれど、偏った分野の読み聞かせやおでかけの効果もあって、鉄道幼児。その彼が「電車や電気機関車は電気とモーターで動くのは分かるが、石炭と水だけでSLが前に進む理屈がどうしてもわからん」と言いだしたので、大型書店にいくつか足をはこび、本書に出会いました。メカニックな話だけでなく、マネジメントの話、そして旅客の視点からの「便利さ」も描かれているので、息子が学齢になり自分で本を読めるようになっても、長くたのしめる本だと思いました。(3歳・お父さまより)