満月にてらされた夜の庭で、歌い、踊り、遊ぶ子どもたち。『木はいいなあ』の作者ユードリーの詩的な文章に、センダックが描いた、幻想的な月明かりにうかびあがる夜の情景がすばらしい絵本。コルデコット・オナー賞受賞作。
モーリス・センダックは、ジャニス・メイ・ユードリーの『ムーン・ジャンパー』に深く心を動かされたに違いない。この絵本のテキストに、彼の作品のなかでも、とりわけ美しい絵を描いている。〈ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン新聞〉評
この絵を見た子どもたちは、ただちにその中にはいりこんで、はだしの足の裏の芝生や、髪をなぶり、ほほをひやす、心地よい風を感じることができるだろう。そして、月明かりに照らされた夏の夜、とんだりはねたりしながら、ただ生きているということに、うきうきするような喜びを感じるにちがいない。多くの大人たちも、この美しい絵本によって、遠い日の喜びをあざやかに呼びさまされることだろう。
児童書批評誌〈ホーンブック〉評
1928年アメリカ、ニューヨーク州生まれ。絵本の枠組みを広げる多くの作品を生みだした二十世紀を代表する絵本作家。『かいじゅうたちのいるところ』でコルデコット賞、『まどのむこうのそのまたむこう』で全米図書賞を受賞。そのほかの作品に『まよなかのだいどころ』『ロージーちゃんのひみつ』『ふふふん へへへん ぽん!』など多数。業績に対して、国際アンデルセン賞画家賞、ローラ・インガルス・ワイルダー賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞などが贈られている。2012年没。
1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以後、数多くの詩作にとどまらず、テレビアニメ「鉄腕アトム」の主題歌などの作詞、『スイミー』をはじめとする多くの絵本や『マザー・グースのうた』『スヌーピー』の翻訳、また『もこ もこもこ』『これはのみのぴこ』など絵本創作の分野においても、幅広く活躍。日本を代表する詩人として世界に知られている。