「ぼくたちは毎日、宇宙を旅している…」自転や公転、引力など地球と宇宙の仕組みを、スケールの大きな絵と言葉で学べる絵本。
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
この「ちきゅう」という絵本、初めて原書を手渡されたとき、一目でその絵に惹かれました。スケールの大きな、すがすがしい絵! しかし、原文を読みすすむうち、わたしは、難題を突きつけられていることに気づいたのです。原文は、とても平易に書かれていつつも、とても含蓄のあるものだったからです。
さて、わたしは、このよく練られたポエティクな言葉をどのように日本語に置き換えたらよいものかと思案しました。じつにみじかい言葉の中に、作者の大きな宇宙観や地球についての知識が凝縮されています。ごくあたりまえのようにわたしたちが暮らすこの星、地球が、絶妙なバランスのもと、宇宙をめぐる奇跡の惑星であるということーーそれを子どもたちに伝えようという、作者の熱意のようなものが、伝わってきました。原文を何度も読み返すうち、地球について、自転公転のことなど科学的な事実を紹介しつつも、この絵本のいちばんの核は「この地球に生きるすべての命を慈しむ」ことのように思いました。
こうして今回出版されるに際し、いろいろ悩んだ末の翻訳とはいえ、いくらかでも作者G.ブライアン・カラス氏の愛情に満ちた意図を皆さんに伝えられればと願うばかりです。(庄司太一)
始まりのことばに感動し、わくわくしました。「ちきゅう。このおおきなのりものにのって ぼくたちはうちゅうをたびしている」図鑑でなく、わかりやすくそして心に残る短いことばに夢があって、あたたかい絵もすてき。宇宙のこと、こども達に話すことは難しいって思っていて、「そう、こういう本に出会いたかった」と実感。(3歳、6歳・ご家族より)