



髪の毛を切るのがいやなこんもりくん。そのもじゃもじゃあたまのなかにはめくるめく楽しい世界がかくれていました!
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
こんもりくんは、頭の大きい少年です。頭が大きいと言っても、そのほとんどは髪の毛です。もじゃもじゃの髪の毛が絡まり合って、くっつき合って、こんもりとそびえ立つ大きなかたまりになっています。赤ちゃんの頃は普通に小さい頭だったのですが、髪の毛を洗うのが嫌いで、一度も髪を切らなかったら、こうなってしまいました。
でも、こんもりくん自身は、この頭が大好きなのです。小鳥が木と間違えてとまって楽しいし、クリスマスにはツリーみたいにデコレーションできます。花を花瓶ごと差しちゃえば、ずっと枯れずに楽しめます。それに、食べかけのおやつを放り込んでおいて後で食べることもできるし、おもちゃを放り込んでおけば、いつでも好きな時にとりだして遊べるんです。いいでしょう。
こんもりくんの朝は大変です。まず、頭が重すぎて、一人では起き上がれません。パパとママに、頭の両側から支えてもらって、やっと起き上がれます。
さて、着替えです。パジャマを脱ぐのは、ボタンを外せばいいのですから簡単ですが、今日の服を着るのが大変です。頭が大きすぎて、Tシャツでもトレーナーでも、襟ぐりの穴に頭が通らないのです。だからこんもりくんはいつも、足から襟ぐりの穴に通します。そんなわけで襟ぐりが、すぐに伸びきってぶよぶよになってしまいます。優しいこんもりくんのママは、襟ぐりをゴム製に作り替えてくれました。これで伸びたり縮んだり、自由自在です。でもこんもりくんの、すべてのTシャツとトレーナーの襟ぐりをゴム製に作り替えたのですから、それはそれは大変な作業でした。それだけで絵本が一冊できるくらいの、愛と感動の物語です。
でもそれはそれ、また別のお話です。本編では、こんもりくんの髪の毛の中で、もっとすごいことが、待っています。ぜひ読んでみてください。(山西ゲンイチ)
学校の読み聞かせ(2年生)で読みました。こんもり髪が切れて、それを枯れ木にさしてしまうオチがとても面白かったです。子供達も大ウケでした。こんな髪の人いそうでいない…? そんな想像をしていました。(9歳・ご家族より)