

「毎日、誕生日して!」と言い出したいっこちゃんは、願い通りバースデーケーキとプレゼントで毎日誕生日会を開きますが…。とんだことに!
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
小さい頃、お誕生日を祝ってもらって、うれしくて、(こんなステキな日が毎日だったら、いいなあ…)と思ったことは、ありませんか?
私にそんな感覚がよみがえったのは、読みきかせ用の絵本をさがして、『1ねんに365のたんじょう日プレゼントをもらったベンジャミンのおはなし』(偕成社刊)を手にした時でした。わお! 1年に365のプレゼントって、毎日、誕生日ってことでしょ…でも、毎日誕生日だったら、毎日ひとつずつ年をとるよね。えーっ?!
こうして、いっこちゃんが毎日お誕生会してもらって、毎日1本ずつろうそくが増えていく話が生まれました。でも、毎日ひとつずつ年をとったら、あっという間に100才です。「それなら誕生日ごっこはもうやめる」というプロットでは、お祝いされ続けたいという願いはかなわず、読者の子どもたちも、がっかりしてしまいます。そこで、考えぬいたあげく、「でも、お母さんにとっては、毎日が誕生日なのよ」と、お母さんに言ってもらうことで、ほっとするハッピーエンドにたどりつくことができました。どんなふうに毎日お祝いしたかは、実際に本を開いて確かめてくださいね。
この話を作りはじめた2年前、ちょうど5才だった近所のりさちゃんが、お料理に興味をもちはじめて、食材を切ったり混ぜたりして喜んでいるとききました。それで、いっこちゃんにも絵本の中で、おやつ作りに挑戦してもらうことにしました。息子たちがたまごをわったり、牛乳をこぼしたりしたことを、にやにや思い出しながら、絵を描きました。
いっこちゃんのお母さんくらい、おおらかなのはステキだなあ…と思ってもらえるとうれしいです。そして、どの子もありのままに受け入れられ、自己肯定感をもてる子に育ってくれることを願っています。
親も子も心あたたまる、笑えて、おやつを作ってみたくなる(レシピつき)欲ばりな一さつです。みんな、見てね!(正高もとこ)