



クローゼットの奧にしまってある、四角い大きな缶の箱。ママのボタンコレクション。いろんな形のたくさんのボタンたち。どんな洋服についていたのかな? ボタンの一つ一つにママの思い出が詰まっている・・・ママのボタンコレクションをみて、いろんな洋服を想像するうちにママの青春にまで思いをはせる女の子まゆ。ママはまゆにすてきなプレゼントをします。
直木賞作家と絵本作家との共通のコレクションは「ボタン」。おふたりのコレクション話から生まれた絵本です。
静岡県三島市生まれ。東京学芸大学初等科美術卒業後、ステーショナリーの会社へデザイナーとして就職。1990年よりフリーランスとなり、アート・ステューデント・リーグ・オブ・ニューヨーク(The Art Students League of New York)でエッチングを学ぶ。『ペンギンの本』で講談社出版文化賞受賞。主な作品に『K・スギャーマ博士の動物図鑑』『てがみはすてきなおくりもの』『ぼくのおべんとう』『わたしのおべんとう』『みーせーて』『あかちゃんは おかあさんと こうして おはなししています』『ほんちゃん』他多数。
森絵都さんからの一言
いつの頃からか、くたびれた服を手放すとき、ボタンだけを残しておくようになりました。「いつか再利用して少しでも元を 取ろう」という、こすっからい根性の成せる業ですが、ボタンは溜まっていくばかり。勿体なくて使えません。ボタンは服にしみこん だ記憶のかけらなのだと、あるとき、気がつきました。
増え続けるボタン。降り積もる時間。箱いっぱいにボタンが溜まった頃、ふっと、絵本のアイデアが浮かびました。スギヤマカナヨさんの絵にぴったりの一冊。 「こんなに幸福な再利用をさせてもらえるとは!」と、ボタンたちに感謝です。
スギヤマカナヨさんからの一言
ボタンが好きです。シンプルなシャツにさりげなく四 角のボタンがあしらわれていたり、袖口に小さなボタン がきりりと並んでいたりするとたまりません。何の気な しに集めたボタンも、気がついたら箱一杯!ですから、 この絵本のタイトルを聞いたときはわくわくしました。 すると、なんと作者の森さんも箱一杯のボタンの持ち主 でした!本の中には森さんのボタンも登場しています。 ボタンは服だけでなく、時に人との関係や思い出もつ なぎ止めてくれるものだと思います。この絵本と皆さん も「ボタン」でつながると嬉しいです。
女の子なら、誰もが好きなボタン。あなたも、カワイイ箱にボタンあつめていませんか?