昔、北国にたくさんいたという雪女のお話。村の男と夫婦になった雪女は、じぶんが雪女とさとられると、男を凍らせて消えてしまいます。これでは男が減るばかりと怒った村の女たちは、ぼかぼかと火を燃やし、雪女はこれに負けじと男たちを凍らせます。そんななか、ひとりの優しい雪娘が若い男のもとへたどり着き、一目ぼれをしたふたりは雪に隠れて暮らしはじめます。そこに、仲間のひとりがいないと気づいた雪女たちがやってきて……。従来の雪女のイメージとはひと味違う、創作昔話。
1910年東京に生まれる。1932年満州に渡り、47年帰国。図案の仕事、舞台劇の美術等をへて絵本の創作に取り組む。代表作『スーホの白い馬』をはじめ多数の傑作がある。産経児童出版文化賞、小学館絵画賞、ブルックリン美術館絵本賞、ライプツィヒ国際図書展デザイン賞など受賞多数。1980年には国際アンデルセン画家賞を受賞。1990年没。