船乗りの父さんが航海に出たあと、母さんはその帰りを待ちわびるだけ。まだあかんぼうの妹は、姉さんのアイダが子守りをしなければなりません。ところが、よそ見をしていたすきに、その妹がゴブリンにさらわれてしまいました。アイダは母さんのレインコートをきて、ホルンをポケットに入れ、妹の救出に向かうのですが、窓を出るとき、うっかり後ろ向きに出たために、〝ふわふわふわのうわのそら〟をさまようことになりました。
精緻に描き込まれた絵が読者を物語の奥へ奥へと誘う美しい傑作。
『かいじゅうたちのいるところ』『まよなかのだいどころ』とともに、作者自身が自らの3部作とよび、全米図書賞を受賞したモーリス・センダックの代表作。
人と人がむきあわない今の時代に、センダックから届いた美しい手紙
さあ、あなたは大切な人と見つめあって歩いていけますか?
1928年アメリカ、ニューヨーク州生まれ。絵本の枠組みを広げる多くの作品を生みだした二十世紀を代表する絵本作家。『かいじゅうたちのいるところ』でコルデコット賞、『まどのむこうのそのまたむこう』で全米図書賞を受賞。そのほかの作品に『まよなかのだいどころ』『ロージーちゃんのひみつ』『ふふふん へへへん ぽん!』など多数。業績に対して、国際アンデルセン賞画家賞、ローラ・インガルス・ワイルダー賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞などが贈られている。2012年没。
1967年アメリカのミシガン州に生まれ、ニューヨーク州のコルゲート大学で英米文学を学ぶ。卒業と同時に来日、日本語での詩作を始める。詩集『釣り上げては』で中原中也賞、『日本語ぽこりぽこり』で講談社エッセイ賞、『ここが家だ––––ベン・シャーンの第五福竜丸』で日本絵本賞を受賞。絵本に『くうきのかお』『さがしています』、翻訳絵本には『ホットケーキできあがり!』などがある。