生まれてから一度も誕生日を祝ってもらったことのないブタの男の子、バンブルアーディは、両親をなくして、おばさんのアデリーンにひきとられました。9歳の誕生日を初めて祝ってもらったバンブルは、おばさんにないしょで、近所の友だちを家にまねいて、どんちゃんさわぎのパーティを開きます──。
『かいじゅうたちのいるところ』『まよなかのだいどころ』と共に3部作とよばれる代表作『OUTSIDE OVER THERE』(新訳版を小社より刊行予定)以来、30年ぶりにセンダック自らが作絵を手がけた話題作です。その死の前年に発表され、センダックにとって生前最後の絵本となりました。
イラストは80代という年齢をまったく感じさせないエネルギッシュな魅力にあふれ、最後まで子どもの側から世界を描こうとしたセンダックが孤独な主人公に贈ったラストシーンがあたたかく胸をうちます。
1928年アメリカ、ニューヨーク州生まれ。絵本の枠組みを広げる多くの作品を生みだした二十世紀を代表する絵本作家。『かいじゅうたちのいるところ』でコルデコット賞、『まどのむこうのそのまたむこう』で全米図書賞を受賞。そのほかの作品に『まよなかのだいどころ』『ロージーちゃんのひみつ』『ふふふん へへへん ぽん!』など多数。業績に対して、国際アンデルセン賞画家賞、ローラ・インガルス・ワイルダー賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞などが贈られている。2012年没。
東京に生まれる。翻訳家・編集者・アフリカ文学研究者。アフリカ子どもの本プロジェクト代表。著書に『子どもを本好きにする50の方法』など、訳書に『シャーロットのおくりもの』、「クロニクル千古の闇」シリーズ、『宇宙への秘密の鍵』『AはアフリカのA』『おばあちゃんにおみやげを』など多数。