雪のふる日、街のみんなはトラリーヌからすてきなおくりものをもらいました。フェルトで作られた絵がぴったりのあたたかなお話。
1969年東京に生まれる。東京造形大学デザイン科卒業。おもな絵本に、『みけねこキャラコ』『こねこのポカリナ』『おはなのすきなトラリーヌ』『トラリーヌとあおむしさん』『ふゆのひのトラリーヌ』『パンちゃんのおさんぽ』『いたずらコヨーテ キュウ』『やまねのネンネ』、『チップとチョコのおでかけ』『チップとチョコのおつかい』『チップとチョコのおるすばん』『チリとチリリ』『チリとチリリ うみのおはなし』『チリとチリリまちのおはなし』『くりちゃんとひまわりのたね』『くりちゃんとピーとナーとツー』、『ねずみちゃんとりすちゃん おしゃべりの巻』『カロンとコロン はるなつあきふゆ4つのおはなし』、『うさぎのルーピースー』などがある。
★刊行時に寄せられたメッセージです
ある日、地下鉄の中で古い動物図鑑をぼんやりと見ていたら、トラの絵が目にとまりました。「トラ、トラ、トラ……」と頭の中でつぶやくうちに「トラリーヌ」という名前が浮かびました。その図鑑のトラの絵はとてもどう猛な顔をしていましたが、こんなこわい顔をしたトラの名前がトラリーヌで、じつはお花が大好きだったらかわいいなと思ったのです。そしてできたお話が『おはなのすきなトラリーヌ』です。フェル トで描いたトラリーヌはこわい顔じゃなくてかわいい顔になってしまいましたが。
お花が大好きなトラの女の子トラリーヌは、自分のお庭でじょうずにお花を育てています。毎日1りんのお花を自分の頭にかざって、寝るときにはそのお花を部屋にかざります。ある日トラリーヌは散歩のとちゅうで見たことのないお花に出会いますが……というお話が『おはなのすきなトラリーヌ』。そして次に作った『トラリーヌとあおむしさん』では、あおむしにお花を食べられてしまうトラリーヌがいいことを思いつきます。お花もたいせつだけど、虫にもやさしいトラリーヌのお話です。
さて、そんなお花大好きトラリーヌは、お花の少ない冬、どんなふうにすごしてるのかな? そう思って作ったお話が3冊めの『ふゆのひのトラリーヌ』です。白いフェルトで作った雪はなんとなく暖かそうですが、寒い冬の日のお話です。お花を咲かせるためには冬でも大いそがしのトラリーヌ、そしてトラリーヌにはお花を咲かせることのほかに、もうひとつ得意なものがありました……。トラリーヌらしい寒い冬のすごしかたが描かれている絵本です。トラリーヌからの冬の贈り物をどうぞ受けとってください。(どいかや)