おでかけした帰り道、おんぶもだっこもしてもらえないねずみくん。そこで思いついた、ねずみくんのアイデアをしかけで描きます。
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
「よく似ている」といわれます。
私が描く「ねずみ」と「わたし」が…です。
なぜか、私は昔から特に私の描くこのねずみに似ているといわれるのです。
私は、人間なので、ねずみに似ているといわれても、なんとも言えない気分になるのですが自分が描くキャラクターと自分が似ているといわれることは、喜ぶべきことなのかなあ? うーーん。
絵を描くとき、登場人物の気分になりきってしまわないと、表現できないことがあります。今回のような、シンプルな絵本では、登場人物(動物だけど)の表情や動きが重要なので、ねずみの気持ちにならないと、怒った顔やがっかりした顔にリアリティがでません。だから、やっぱり、私は、ねずみに似てしまうのかもしれません。
しかけ絵本は、特にお父さんと子どものコミニュケーションに最適だと思っています。絵本の読み聞かせが不得意なお父さんでもこうしたしかけ絵本があれば子どもはよろこんでいっしょに遊んでくれます。このシリーズのきむらさん考案のしかけのおもしろさは、単に絵が変わるだけでなく、ページが顔や手、あるいはねずみくんそのものになり、本の中で、歯をみがいたり、とびはねたり、さかだちしたりして躍動するところにあります。ページをめくって出現した絵の変化に、子どもはきっとおおよろこびしてくれるはずです。
ねずみに似ている?私がねずみくんの気持ちになってねずみくんの絵を描いて、その絵本を読んだお父さんやお母さんや子どもたちが、ねずみくんと同じ表情になって「おもちゃ」で遊ぶようにこの本と遊んでくれたら、イラストレーターとしては、本望なのです。
というわけで、肖像画はねずみになりました。ちょっと太ったねずみです。(せべまさゆき)