『精霊の守り人』にはじまる「守り人」シリーズの著者であり、国際アンデルセン賞作家賞、本屋大賞を受賞した上橋菜穂子。
単行本初収録の多彩なインタビューやスピーチ、そしてエッセイが1冊の本にまとまりました。
作家を育んだ、愛してやまぬ本、約700冊のリストも掲載!
もくじ
はじめに 足跡をつなげて
●物語が脈打つ世界の描き方
・経験は、物語を紡ぐ〈羅針盤〉
・私が愛するジブリ作品の〝目〟 そして二木真希子さんのこと●場所の記憶
・私を育んでくれた懐かしい場所
・銀座が近くなりにけり●文化人類学者と作家のはざまで
・カミを見る目が変わるとき
・ご近所のアボリジニ
・物語の力を感じるとき
・時の流れに気づくとき
・とても大きなものを●文化の差異を越えて
・他者と共に生きる物語
・物語が見せてくれる希望の光——断ち切る文化と、手をつなぐ文化——●本という「友」
・歌って踊れる図書委員
・駅を降りたら、あの本屋さんが待っている
・「打ち出の小槌」が与えてくれた本 本屋大賞で買った本
・上橋菜穂子書店 全ブックリスト
この三十年近い日々の間には、本の形で世に出ているもの以外にも、たくさんの文章を書いてきました。インタビューもたくさん受けましたし、スピーチもしました。
そういう文章は、走ってきた道に束の間残る足跡のようなもので、一瞬だけ人の目にとまり、すぐに消え去ってしまう運命にあります。
この本は、そういう小さな足跡を集めて、私がたどってきたくねくね道を浮かびあがらせてみようという試みから生まれました。
「はじめに 足跡をつなげて」より
上橋さんの書く話が大好きです! 小学生の頃に守り人シリーズに出会ってからずっとずっと好きで、いつか本屋さんで働いて上橋さんの本を売りたいと思っていた夢が叶って今は書店で働いています。今では貴重なインタビューなどがこの本で読めてすごく嬉しかったです。言語や文化は違っても、物語の世界では全世界共通と上橋さんがスピーチで言っていたことがとても心に残りました。物語を紡ぐ上で上橋さんの大切にしていることや思っていること、感じていることを改めて読めて上橋ワールドの壮大さを感じました。いつか子供ができたら、絶対に上橋さんの書いた本をお勧めしたいと思っています。(20代)
表紙の「ティティ・ラン」が可愛すぎます! 上橋菜穂子書店へは行けなかったし、守り人の展覧会へも行けなかったので、その一部が見られてとても嬉しかったです。また、守り人の構想の段階でヴァンが出てきていたことにもびっくりしました!(10代)