

“車いすに乗った女の子ってのは、愛らしくていつもニコニコしてるはずって、みんなに期待されすぎちゃうんだ。残念ながら、わたしにだって意志はある。”(本文より)
脳性まひのため、車いすで生活を送る12歳のエリー。夢はプロのお菓子職人になることで、有名なベイカーに手紙を書いているとき以外は、お菓子づくりの練習をして過ごしている。エリーは学校教師の母親とふたり、アメリカのテネシー州ナッシュビルに暮らしていたが、認知症がひどくなってきたおじいちゃんを手助けするため、期間限定でオクラホマ州の田舎に引っ越すことになる。
ただ、新しい町では、すべてをイチからやり直さなくてはいけなかった。学校では、「車いすの転校生」であるだけでなく、トレーラー・ハウスに住む「トレーラーパークの子ども」としても、みんなから冷たい視線を向けられてしまう。でも、ふたりの風変わりな友だち——はっきりものを言うコラリーと、「超オタク」なバート——に出会ってから、エリーはだんだんと、「ずっとここにいたい」と思うようになっていく。そんなときエリーの母親が、医療設備の整った元の町にもどろうと言いだして……。
人生が期待どおりにいかないときは、どうすればいい?
つらいときでも、前向きに進む力をくれる物語。
★アメリカのレビューより
やさしく心あたたまる、すばらしい物語。
ーR. J. パラシオ(『ワンダー』作者)
エリーの物語は、人生の重荷は友人や家族、そしておいしいパイがそばにあれば、かならず軽くなることを思い出させてくれる。
ー米情報誌パブリッシャーズ・ウィークリー
脳性まひをもつ息子の母親である著者は、エリーと母親の愛と緊張に満ちた関係を、痛切なまでにリアルに描いている。(中略)障害、家族、そして成長について、率直かつエモーショナルにつづった作品。
ー米書評誌カーカス・レビュー【2019年ベストミドルグレード選出】
[目次]
1 きれいにそろった形
2 われたガラス窓
3 車でひっこし
4 トレーラーハウスのくらし
5 メリー・クリスマス
6 神経内科の予約
7 最悪のスタート
8 ハッラーとバスケットボール
9 キューピッドの矢
10 スピーチと救急車
11 わたしたちの訴え
12 お菓子づくりの練習
13 バートの小さな町
14 神のお告げ
15 イベントとパイ・コンテスト
16 支えられて
謝辞
訳者あとがき
エリーは、自立心旺盛な、とても頼もしい女の子です。世間や大人への皮肉は切れ味抜群で、読んでいてスカッとします。同時に、彼女の傷つきやすい心や居場所をもとめる気持ちにも、共感する人が多いと思います。障害をもつ方にもそうでない方にも、ぜひ読んでほしい物語です。