

夏休み、高校生の千春は、父親の実家でお盆をすごすことになった。
到着早々、伯父さんから、最近おばあちゃんのようすがおかしいと聞かされる。
そんな折、海外にいる従姉の出産に立ち会うため、叔母さんが数週間、家をあけることになった。伯父さんは、おばあちゃんの面倒をだれかに頼もうとするのだが、みんな、首を縦に振ろうとしない。
「千春ちゃんは?」
おばさんが問いかけた一言に父親が返事をした。
「ちょっと無理じゃないか?」
勝手に決めつけられ、むっとした千春は、おばさんにむかって答えた。
「いいよ、わたしは」
千春の成長を描く物語、高校生編。