

小学1年生の奏楽は父親とともに空手を習いはじめた。
その道場に通う同じ学年の遥人は、群を抜くうまさで奏楽はその姿に魅せられる。しかし、いっこうにうまくならない奏楽は、中学受験を言い訳に空手をやめた。そして、偶然、遥人が自分と同じ中学に通っていることを知る。
意外にも、遥人は、空手をやめて、野球部に入っていた……。
悩みながら、それぞれの道を選ぶ中学生を等身大に描く。
受賞歴:
センスがあるがゆえに、限界を感じる、遥人
負けず嫌いで、ひたすら前に突き進む、結花
ねばり強く努力を続ける、航太
好きという気持ちに目覚める、ソラ
子ども時代、同じ空手道場に通っていた四人が選んだ道は――。
この物語は、空手の世界を描いていますが、どの世界でも、入り口は大きく開いていて、だれでも簡単に飛び込むことができます。
ただ、その先に続く長い長い道を進むには、さまざまな想いに揺れ動きます。
立ち止まることも。
引き返すことも。
一歩を踏み出すことも。
別の道を選ぶことも。
どれも勇気ある決断であることに、ちがいありません。
ただ、決断を急ぐ必要はありません。
ソラも、悩んで悩んで、悩み抜いたからこそ、自分の出した答えに満足することができました。
真剣に自分と向き合う四人を、応援していただけたらうれしいです。
あなたの生きる道を見いだす、小さな芽になってくれることを願っております。