

富山県の神通川流域に発生し、ながく奇病とされていたイタイイタイ病。その病が鉱山の公害によるものだと企業に認めさせるまでの住民・医師・科学者の闘いを地元新聞社の目で捕えた、迫真のドキュメンタリー。
受賞歴:
1973年に最初の単行本が刊行され、約10年後に文庫化、そして今回は新カバーで、新たな解説をつけて復刊です。
編集作業をしていて驚くのは、月日は経ってもあせない内容であること。悲惨な奇病が鉱毒によるものだとつきとめ、それを企業に認めさせるまでの遠い道のりを、あきらめずに突き進んだ人々の熱気が感じられる本です。
「もう終わったこと」ではなく、現在も起きつづけている公害の、ひとつの事例として、この本を読んでみてはいかがでしょうか。