



これは、どうして わたしが ひいばあちゃんの ひみつを しったのかっていう おはなし──。
ひいばあちゃんの部屋からころがってきたビー玉をひろった女の子は、そのおれいに、ひいばあちゃんの宝物が入っているかんかんを見せてもらうことに。中に入っていたのは、古い写真や、だれかの眼鏡や、たんすの取ってや、きれいなガラスびん……。その一つ一つにまつわる、ひいばあちゃんのだいじな思い出を聞いていくうちに、女の子とひいばあちゃんは、しだいに仲よくなっていきます。
受賞歴:
この本に登場するひいばあちゃんは、1917年生まれのわたしの祖母がモデルです。祖母は蕎麦ボーロの缶の中に、古い古い品々をしまっていました。それを小学生のわたしに見せながら、自分の子どものころの話をしてくれました。ふだん着は着物で、履物は草履か下駄だったこと。ランドセルではなく、風呂敷で学校に通ったこと。テレビも冷蔵庫もなく、車はめったに走っていなかったこと。夜は真っ暗で、出かけるときは提灯をもっていったこと。びっくりすることばかりでした。でも、いちばんびっくりしたのは、三つ編みにセーラー服姿の写真の女の子が、自分のとなりにすわる祖母だったことでした。いまでもあのころのことを思い出すと、もういちど祖母の話を聞きたくなるのです。