

定価(本体価格) | 1,200円+税 |
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偕成社在庫 | わずか |
対象年齢 | 小学校中学年から |
ジャンル | 読み物 > 伝記・ノンフィクション |
サイズ(判型) | 22cm×16cm |
ページ数 | 173ページ |
ISBN | 978-4-03-634710-0 |
NDC | 610 |
発売日 | 2004年6月 |
ミミズは健康な野菜や穀物が実る〈生きている土〉を作りだす。地球にやさしい農業を求め続けたミミズ博士・中村好男さんの物語。
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
みなさんは、どんな生き物が好きでしょうか。ペンギン? ゾウ? ライオン? 身近なところではチョウやクワガタ、カブトムシなどが人気者でしょうか。この本で取り上げたのはたぶん、きらわれ者の仲間に入るミミズです。目の前に差し出されたら、「うへー!」なんて叫ぶ人がいるかもしれません。
でも、実はこのごろ、ミミズがとても見直されているんですよ。魚つりのえさにしかならないと思われがちのミミズですが、ほんとうはすごい力を持っている。そのことを、この本の主人公である「ミミズ博士」の中村好男先生に教えていただきました。
ぼくは、生き物が大好きです。農業にも関心があります。そこでこの本を書く前に、大冷害と「田んぼの草と虫」カブトエビをとりあげた読み物と、虫で虫をやっつける「農家のファーブル」を紹介する本をまとめました。
田んぼとトマト温室を舞台にしたのだから、「畑の話も欲しいなあ」と思うようになりました。そこで目をつけたのが、ミミズというわけです。それぞれ別の出版社から出していただいた本ですが、これでぼくの「農業三部作」の完成です。
ふしぎに思うかもしれませんが、ちゃんと管理されている畑にはミミズがいません。農家が一生懸命になればなるほど、土の中の生き物は減ってしまう。だから、「生きている土」を手に入れるためには、ふつうとはちがうやり方が必要になります。どうすればいいのかは、本を読んでからのおたのしみ。土の中の世界もなかなかおもしろいですよ。
考えてみれば、ぼくが興味を持つのはヘンテコな生き物ばかりです。ミミズやカブトエビ以外にもナナフシや蛾、イモリの作品を書いています。「今度は、わたしにしてくださいよ」。そう言ってくるのはどんな生き物かなあ。そう考えるだけで楽しい毎日です。(谷本雄治)