セーラ=クルーは、プリンセスのような気品をたたえた少女。父親の仕事の関係で長くインドでくらしていたが、イギリスの寄宿学校にはいることになる。19世紀イギリス児童文学の傑作、完訳版。
1914年、東京に生まれる。津田英学塾卒業。数かずの英米児童文学を子どものために訳す。ことに少女小説の翻訳が多い。創作には「ちょうの夢」などがある。1987年逝去。
誰でもものごとがうまくいっている時に人に優しくしたり、希望を持ち、明るく振る舞うのはたやすいが、そうでない時に明るく、夢を持ち、思いやりあるふるまいをするのは難しい。それができる人こそが本当に高貴な人。お金があったり、美しい服を着たりする外面的なことでなく、心の持ちようで美しくなくても太っていても貧しくおちぶれていても若くなくても、プリンセスになれる、というセーラのまっすぐなメッセージは、時代や世代を問わないすばらしい教えだと思いました。(愛読者はがき)