国土の8割を草原が占めるという、「草原の国」モンゴル。
12才のバタナーは、ここで遊牧民の暮らしをしています。
世界のともだち5巻目は、『モンゴル』です。
動く家「ゲル」と一緒に、バタナーたち家族は
年に3、4回の移動をしながら遊牧生活をいとなんでいます。
「遊牧生活」と聞くと、なんとなくのんびりとしたものを思い浮かべてしまいますが、
家畜の世話やまき割りなど、じつは毎日とってもいそがしい。
バタナーもすすんでお手伝いをします。
ゲルには当然シャワーもトイレもないので、
井戸からくんだ水をわかして体をふいたり、夏は川で水浴びをしたりします。
(トイレは草原のどこでもOK!)
でも、遊牧生活も日々進化していて、太陽パネルで発電している電気もつかえるので、
テレビやケータイを使っている家庭もあるみたいです。
「なんか想像してた遊牧生活とちがうんですけど!」
なんてところも、『モンゴル』の見どころのひとつです。
さて、草原での暮らしとはうってかわって、学校がある時期、
バタナーは首都ウランバートルにあるおばさんの家で暮らします。
そこにはシャワーやトイレはもちろん、パソコンやテレビゲームもあり、
すごくキレイで便利ですが、バタナーは草原での生活のほうが好きみたいです。
「王様みたいに、あれしろこれしろとかいわなければ、いいお兄ちゃんなんだけどなあ」
と、妹のミガーに言わせるほど、たくましくてやんちゃなバタナー。
そんなバタナーの、草原と街の暮らしに密着した
⑤『モンゴル』は、2014年1月発売です!
本の中ではモンゴルのお正月もあつかわれているので、
日本のものとくらべながら読んでみるのもオススメですよ。
モンゴルってどんな国?
日本の4倍の広さ
大国ロシアと中国にはさまれているせいか、
ちいさな国のように
感じてしまいがちですが、
じつは日本の4倍もの面積があるんです!
そのうち8割が草原というんだから、本当にはてしない広さです。
涙のちゃんこ鍋
海のないモンゴルでは、魚は「神の使い」とされ、神聖な生き物とされています。
食べるなんてもってのほか。考えられません。
そこで困ったのが、はじめて日本にやってきた力士たちでした。
旭鷲山関をはじめ、モンゴル力士たちは当時、泣きながらちゃんこ鍋を食べたそうです。
ぶつかったら握手!
モンゴルでは道端でひとにぶつかると
「悪気はないよ」という意味を込めて握手をします。
なんてすてきな習慣なんでしょう!
モンゴルの人が東京にやって来たら
「手が何本あっても足りないよー!」と、なげくことになるかも。
モンゴル出身の有名人
チンギス・ハーン(世界史上最大の国をつくった開国の祖)
旭鷲山(力士。「技のデパート・モンゴル支店」と呼ばれる。「本店」は舞の海関)
白鵬(第69代横綱。「相撲の神様」双葉山につづく歴代2位の連勝記録保持)
朝青龍(第68代横綱。左利きで、塩を左手で撒く数少ない力士の一人だった)
(写真:清水哲朗 イラスト:鈴木千佳子 文:編集部 丸本)