ともだち紹介

バングラデシュのアシフ

2014/02/26

1971年に誕生した、新しい国バングラデシュ。
首都ダッカからガンジス川を舟でわたると、
青い自転車に乗ったアシフの住む村が見えてきます。
きょうは、「世界のともだち」9巻目の『バングラデシュ』より、
わんぱく少年アシフの暮らしを紹介します!


アシフがくらしているあたりでは、いくつかの家族であつまって、
ひとつの建物で共同生活をいとなんでいます。
そのため、アシフと家族の家はひと部屋だけ。
部屋の半分を占めている大きなベッドの上で、
アシフはお父さんとお母さんと「川」の字になっていっしょに眠ります。


アシフのいちばんの宝物は、青い自転車です。
いつもは家のとなりにある鳩小屋にしまってあって、
取り出してきては近所にある大きな空き地をぐるぐる回っておおはしゃぎ。

街はコマまわしやおままごと、おいかけっこやかくれんぼなど、
日本でもなじみのある遊びをしている子どもたちでいっぱいです。
近所のともだちのなかで自転車を持っているのはアシフだけらしく、
なんだかちょっと誇らしげです。

アシフの家には机がないので、ベッドの上で勉強します。
好きな科目は算数で、国語(バングラデシュ語)は苦手。
でも、さいきんはだいぶ文字を書けるようになってきました。

ちいさなアシフはまだ6才。
石川直樹さんが「将来はなにになりたい?」と聞いても
うまく答えられなかったみたいですが、これからいろんな世界をみて、夢をもって、
たくましく成長していくんだろうなあ、とぼんやりおもいました。

アシフの元気いっぱいな姿がたくさん見られる⑨『バングラデシュ』は、3月中旬発売です!
おしゃべり好きで人なつっこい、バングラの空気が伝わってくる写真もとてもすてきです。

バングラデシュ バングラデシュってどんな国?

人口密度のすごく高い国
バングラデシュは世界でも人口密度のとくに高い国のひとつ。
人口は日本よりちょっと多く、およそ1億3千万人もいるにもかかわらず、
面積は日本の40%程度。街にはあちこちに人があふれかえっています。
2030年には人口が2億人を超える…なんて予想もあるのだとか!

世界遺産、シュンドルボン
シュンドルボンとは、バングラデシュ南部にあり、
ベンガル語で「美しい森」を意味する、世界最大のマングローブ天然林のこと。
シカやワニ、サル、ベンガルトラなどが生息しているほか、
240種類以上の鳥類も発見されていることから、動物の聖地とされています。
ちなみに、有名なベンガルトラ(かっこいいですよね!)は
意外にも警戒心が強く、めったに会えないそうです。

洪水がおおい
海抜1メートルの扇状地に位置しているため、洪水の被害に悩まされることが多々あります。
国土の半分以上が水びたしになってしまうこともすくなくないのだとか。
1971年8月には、イギリスのミュージシャンであるジョージ・ハリスンと
インド出身のラヴィ・シャンカールが中心となり、
ニューヨークで「バングラデシュ難民救済コンサート」が開催され、
ロック業界におけるチャリティー事業のさきがけとなりました。

グラミン銀行
バングラデシュは世界最貧国のひとつといわれています。
1983年に創設されたグラミン銀行では、マイクロクレジットとよばれる
貧困層を対象とした低金利の無担保融資のほか、インフラ・通信・エネルギーなど
さまざまな分野で支援をおこなってきており、
2006年には、創設者のムハマド・ユヌスがノーベル平和賞を受賞しました。

(写真:石川直樹 イラスト:鈴木千佳子 文:編集部 丸本)

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