取材日記

オーストラリア縦断?!

2016/01/18

『オーストラリア』の取材日記、2回目をお届けします(1回目はこちら)。主人公のビリーがくらすバイロンベイは、シドニーからえんえんと北の方へ走った先。オーストラリアの広大さを実感する旅だったようです…!


車でオーストラリア「縦断?」

主人公のビリーのお宅までは、レンタカーで移動しました。シドニーで車を借りて出発。近郊のブルーマウンテンという町で在留日本人を取材して、そこから北部タウンズビル郊外の町へ。

言うまでもなくオーストラリアはとんでもなく広大で、東部の海岸線以外は「アウトバック」とよばれる土漠地帯です。行けども行けども一直線の平坦な道。
フト気がつくとガソリンが切れかかっていて、あわてて地図を確認すると、次の町までまだ100キロもあり、ヒヤヒヤしながら車を走らせます。


二泊三日かかってようやくタウンズビルに到着して、こちらでも在留日本人を取材して、とんぼ返りでブリスベンへ。あとで計算してみたら総計2500キロも走破していました。これはなかなかの大冒険だと、悦に入りながら地図を広げてみると、なんということか。オーストラリア大陸の東端をチョコッとかすめた程度ではありませんか。恐るべしオーストラリア大陸。

 

不思議なご縁

ビリーの家族とは、在日オーストラリア大使館の紹介で知り合いました。取材の日程を決めるためにメールでお母さんとやりとりしていたのですが、当初はなかなか返事がもらえず、ヤキモキしました。どうやら、同級生の親御さんすべてに本への掲載許可をもらう必要があり、時間がかかっていたようです。到着してからわかったのですが、お子さんが誌面に掲載されるのを極端に嫌がる方もいました。メディアに露出することで、思わぬ事件に巻き込まれるとも限りませんから、親御さんの懸念は推して測るべし。
学校内での撮影中も、たびたびお母さんたちに声をかけられ、
「あなた、こんなところで写真撮ってていいの? ちゃんと許可もらっているの?」
あからさまに不審者扱いです。そのたびに、「プリンシパル(校長先生)に許可をいただいてます」というと、こわばっていた親御さんの顔に、ようやく安堵が浮かぶのでした。


ところで、今回の取材では不思議なご縁がありました。広大なオーストラリアの中から、バイロンベイにくらす子どもを撮影することに決まったわけですが、実は私が住む東京都奥多摩町がバイロンベイと姉妹都市だったのです。毎年高校生の交換留学生を互いに送り出していて、取材の前年には、バイロンベイ中学校の校長先生が、奥多摩町に視察に来られたばかりとのこと。なんとも奇遇でした。
もしかしたら、数年後にビリーが交換留学で我が町を訪れる日が来るかもしれません。

(文・中山茂大 写真・阪口克)

世界のともだち㉙『オーストラリア 毎日わくわく! ビリーの海ぐらし』の詳細は
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阪口克 中山茂大

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ライターとカメラマンのユニット、人力社として活動中。海外、国内取材をはじめ、田舎ぐらし、DIYなど幅広く活動。世界のフツーのご家庭に居候するのがライフワーク。共著に『世界のどこかで居候』『アウトドアde世界のどこかの昼ゴハン』『笑って! 古民家再生』 など、中山茂大の著書に『旅人思考でイスラムと世界を知る本』『ハビビな人々』などがある。

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