取材日記

バタナーに会いに行く・2015夏

2015/10/02

『モンゴル』の主人公、バタナーをおぼえているでしょうか? 馬に乗って大草原をかけめぐりつつ、都会のくらしも満喫している、笑顔が素敵な男の子です。そのバタナーの今を、カメラマンの清水哲朗さんが届けてくれました(もう、「男の子」というより、「青年」です!)

世界のともだちの5巻目、『モンゴル 草原でくらすバタナー』が刊行されてから1年半がたちました。前回のブログで、できたてホヤホヤの本をバタナーと家族に届けた話を書きましたが、その後も彼とは数か月おきに会っています。

おどろくのは成長ぶりです。7月に14歳の誕生日をむかえましたが、成長に対して年齢が追いついていない印象を受けます。もともと身体の大きなバタナーは、昨年の春には声変わりをし、お父さんの身長を超えてしまいました。

乗馬の腕前はほれぼれするほどに上がり、お父さんはバタナーに大人とおなじ仕事をあたえています。僕がひょっこり顔を出しても、忙しそうに朝から晩まで働いています。でも、バタナーは文句ひとつ言わず、むしろ誇りを持って手伝いをしています。

勉強の成績もめざましく伸びているようで、最近、進学校に編入しました。以前「遊牧民にはならず、経理を学び、大学卒業後は建築会社の社長になりたい」と言っていたことが現実味をおびてきました。バタナーは今後どうなっていくのか、ますます目がはなせません。

(写真・文 清水哲朗)

清水さんより、バタナーが「世界のともだち」を楽しんでくれているらしい(?)動画も
届いています! いっしょにぜひどうぞ! たしかに、声変わりしてますね〜
(これは、2014年のバタナーです)。

 

 

清水哲朗

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1975年横浜市生まれ。23歳でフリーランスとして独立。ライフワークとしているモンゴルでは独自の視点で自然風景からドキュメントまで幅広く撮影。2005年「路上少年」で第1回名取洋之助写真賞受賞。2007年NHK教育テレビ「趣味悠々」デジタル一眼レフ風景撮影術入門講師として出演。2008年放浪フォトエッセイ『モンゴリアンチョップ』をNNAより出版。2012年15年間のモンゴル取材をまとめた写真集『CHANGE』を上梓。個展開催多数。日本写真家協会会員。

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