長野から大阪に転校してきた中学生、村木ツトム。
学校で一番の美女マリに「5秒だけ彼氏になって」とささやかれる。
よくよく話を聞くと、どうやら、マリは、彼氏の目の前でツトムと5秒間だけ抱き合い、彼と縁をきりたいらしい。
思ってもみないマリの要求にまいあがるツトム。
これを機会にマリを恋人にしようと、親友の西川といろいろ画策をめぐらすのだが、どうもたよりない。はたして、この恋の行方は?
ツトムをとりまく人たちのやさしいまなざしを背景に、等身大の中学生をコミカルに描く。
わたしの好きな映画監督にアキ・カウリスマキという人がいます。フィンランドの監督なのですが、おそらく、カウリスマキが、日本人で児童文学を書いたとするならば、このような作品になったでしょう。
主人公ツトムの「あ、はい」をお楽しみください。
ユーモラスで気持ちのいいお話でした。とても楽しく読み、幸せな読後感が残りました。子どもが中学生だったころを思い出して、かわいかったなー、友情にあつかったよなーとふり返りました。(60歳)