「ぼく」は中学1年生。ほんとは2年生だけど、小学校のとき、学校に行けない期間があったので1年間のブランクがある。いまは毎日学校にいきながらも、日々起こるできごとについて、考えこむことがある。「ぼく」は寝る前にベッドの上で、その日の気分でいろんな生きものを思いうかべるという就眠儀式をもっている。ドジョウ、ヘビ、ヒツジ、キリン、イグアナ、ロバ……サバンナにいることもあるし、水の中にいくこともある、脱皮することもある! 現実世界と行き来しながら描かれる生きものの様子に「ぼく」の心情がひしひしと感じられる。せつないけれども、すこしずつ浮上していく「ぼく」を応援したくなる小さな物語。