生物の「進化」を正確に理解する人は少ない。「進化の島ガラパゴス」取材をした著者が語る、楽しくて、おどろきいっぱいの「進化論」入門。
1954年、宮城県仙台市に生まれる。漫画家村野守美氏に師事。グラフィックデザイン、アニメーションを経て、学習漫画家として活躍。また「自然保護運動図画工作執筆家」として、環境教育教材の開発・製作、動物専門学校やカルチャーセンターの講師も勤める。日本野生動物観察指導員、「ふくしまワイルドライフ市民&科学者フォーラム」クリエーター、富士市ファミリーパーク「21世紀の動物園展示を実践する」プロジェクトメンバー。著書に『小さな動物学者のための観察ブック』『哺乳類観察ブック』『クマは「クマッ」となく?!』『動物おもしろ基礎知識』『動物の足跡学入門』、共著に『コウモリ観察ブック』『クジラも海でおぼれるの?』『チンパンジーはいつか人間になるの?』など多数。
★刊行時に寄せられたメッセージです
人間の祖先はサルだった。だからチンパンジーも、長い時間をかければ、いつか人間になるのだろうか……? こんな疑問を、誰もが一度は持ったことがあるだろう。
そんな疑問も、今では、DNAをはじめとする「最新科学」で解決できてしまうようになった。
しかし、「神様がお造りになった生物が、<進化>などするはずはない!」という考えがあたりまえだった時代、ダーウィンやウォレス、ラマルクなどの人たちは、生物は「進化」するのではないかと考え、その謎を、一生懸命に解き明かそうとしていた……。
この本は、そんな不思議を解明するおもしろさを、彼らと共有したいと思って書いた本だ。
「進化」といえばダーウィン、ダーウィンといえばガラパゴス……ガラパゴス諸島に行けば、誰もが進化を目撃できるという。
俺は居ても立ってもいられず、「魔法にかけられた島・ガラパゴス」に旅立った……。
もちろん、目の前で何かが起きたわけではないけれど、進化の「ビフォア・アフター」の生き物が、同次元に棲んでいるから、島の環境、天敵、食べ物が大きく影響し、進化したんだろうなぁ……ということが実感できるのだ。
俺はこの「魔法にかけられた島」で、心ゆくまで「進化の不思議」を楽しむことができたけれど、「進化とはどういうことなのか?」ということを知らなかったら、せっかく訪れても、ただの観光旅行になってしまっていただろう。
熊谷さとし