りんごちゃんが4匹のかぶとむしを助けたお礼にもらったビートルカード。大変な力を発揮して、数々の災難を乗り越える。迫力のナンセンス絵本。
1954年埼玉県に生まれる。5年間保父として勤務した後、子どもにもおとなにもおもしろい、みんなのバンド「トラや帽子店」を結成。リーダーとして活躍。現在はフリーでコンサート活動を続ける。絵本作家としても、多くの著書があり、『ないた』で日本絵本大賞受賞。その他の作品に『うみちゃんのまど』『ごめんなさい』『あかちゃんの詩1・2』『こんにちは』『さよならしょうがっこう』、「ピーマン村」シリーズ、「だじゃれ」シリーズ、「ショコラちゃんシリーズ」「おたんじょう月おめでとう」シリーズなどがある。
1972年千葉県に生まれる。女子美術短期大学卒業。セツ・モードセミナー卒業。作品に『りんごちゃんとビートルカード』『おにがわらう』などがある。
★刊行時に寄せられたメッセージです
「『わらしべ長者』みたいな話にしようよ」という中川さんの言葉から全てが始まりました。話ができてきてびっくり! いつも動物画ばかり描いている私に、「りんごちゃん」が活躍するナンセンスの世界! ビートルズやプレスリーをリアルタイムで知らない世代の私が(しかも音楽についてはほとんど興味なしで、ちんぷんかんぷん)、もっと知らない子どもたちへ……? どう表現したらいいか、かなり長い時間悩みました。流れた月日は3年半。とうとう、おことわりしよう……と決心して中川さんにお会いしにいきました。そのときの「酒井さんの解釈でいいんだよ」という中川さんの一言が、私のなかの何かを一発パンチでこなごなに打ち砕いたのです!
それからは、堰を切ったように絵を描き始め、32ページを1ヶ月で描きあげました。その時間は、とても幸せな時間で、お話に入りこめば入りこむほど、「ここを絵にしたい、ここも絵にしてみたい」といろいろうかんできて、私もりんごちゃんと一緒に大冒険しました。最初にりんごちゃんがうかび、表紙の絵を描きました。りんごちゃんにあわせて、原色の風景、世界観にしたかったので、色にこだわりました。
私の単行本デビュー作となります。いままでにない世界観を楽しんでいただけたらと思います。りんごちゃんと一緒に、ぜひ大冒険してください。(酒井絹恵)