一生つきあえる大切なともだちってどこにいるの? 詩のようなみずみずしい幼年童話を5編収録。子どもの成長を祝う応援歌のような一冊。
★刊行時に寄せられたメッセージです
初めての創作童話『ともだち』が、とうとう、とうとう出来ました! 私にとって記念すべき一冊です。
自分で書いたものをこんなふうに言うなんて、少し大袈裟じゃない? と思われるかもしれませんが、物語を書くことのむずかしさ、それを乗り越えたい思い。私は私なりに、疲労困憊?しながら書きあげたものです。
登場する「くまのおじいさん」と「ねずみのぼうや」を、どんなふうに出会わせるか、会話させるか。それによって、両者の性格も見えてくるはずです。読んで楽しく、読者の胸の内に、この二人が生きて動きだしてくれるようにと、そのことを願って書きました。おかしな話ですが、書き進めていくと、私がこの二人とともだちになりたいなと思っていました。
一話書いてはだいぶ書いたような気持ちになっている私に、「まだまだですよ」的な励ましを担当編集者さんに言われていたのが、今となっては楽しい思い出です。
絵が出来上がってくると、本はぐんとその世界感を具体的に持ちはじめます。本作りの作業の中で、何度も何度も目にしたさとうあやさんの絵! 読み返すたびに、たとえばぼうやの涙の顔などは、ぼうや(子ども)の心理と重なって、その愛くるしさに、毎回私の顔は「フニャン」となりました。本当に感謝です。
ぜひ、多くの人に手にしてもらいたいと願っています。(木坂 涼)