シロガラス 佐藤多佳子

『シロガラス』の世界

白烏神社

  • 社殿

    神社の建物で、本殿と拝殿をあわせた呼び名。ご神体(神の霊)をまつる建物を本殿、参拝する人のための建物を拝殿という。本殿は拝殿のうしろにかくされている。

  • 狛犬・神使

    狛犬は、獅子に似た架空の生きもの。魔よけの像として、神社や寺院の入り口などに、左右1組でおかれることが多い。お稲荷さんのキツネのように、特定の生きものを、神の使い「神使」としておく神社もある。
    白烏神社では、天星明命が2羽の白いカラスをいつも肩にのせていたことから、神使として、カラスの像が対となっておかれていたが、20年くらい前に右側のカラスの像がこつ然と消えてしまった。白烏神社3つの謎のひとつ。

  • 白烏神社の3つの謎

    1. 神使(しんし) –––– 1羽しかいないカラスの石像。(もう1羽はどこへいったのか?)
    2. 天井画(てんじょうが) –––– 拝殿の天井にのこされた、へたくそな7枚の絵。(だれが? なんのために描いたのか?)
    3. 星明石(ほしあかりのいし) –––– 神社の西側にある、パワー・ストーンとしてあがめられる石。天星明命とともにふってきた星のかけら(いん石)といわれている。(実際は、よく見られる凝灰岩らしい。)

  • 鳥居

    神社などで神が住む場所(神域)と、人間が住む場所(俗界)を区切る境目とされる門。鳥居から内側の場所を神域とする。
    白烏神社では石畳の参道の先に一の鳥居、石段をのぼったところに二の鳥居、そしてその先にカラスの石像がある。鳥居はいずれも石でつくられている。

  • 例大祭

    その神社でおこなわれる祭りのうち、もっとも重要なもの。年1回、または年2回、きまった時期におこなう。
    白烏神社の例大祭は、毎年9月なかばの夜。参道にはたくさんの屋台がならび、子どもたちが神楽を演じる催しがある。

  • 神楽

    神にささげられるおどりのこと。笛や太鼓などのお囃子(はやし)に合わせて舞をおどる。
    白烏神社では「子ども神楽」として6人の子どもがおどるのが伝統的。1人が剣士、2人がおつきのカラスの3人1組で、合計2組6人でおこなう。千里、星司、美音はもともと子ども神楽のメンバーだったが、例大祭の夜、あらたに3人のクラスメートが加わることになる。

  • 古武術

    古くから日本でおこなわれていた剣術、柔術、槍術、弓術などの総称。むかしの侍たちが、実戦で身を守るため、身体と心をきたえる訓練としておこなっていたもので、試合での勝ち負けを目的としないのが特徴。スポーツ競技である、現代の武道(柔道、弓道、剣道など)と区別して、「古武術」と呼ばれる。
    千里の祖父の佐一郎は、白烏神社をつくった森崎古丹がおこしたという古武術「星茫一心流(せいぼういっしんりゅう)」の最高師範。例大祭の子ども神楽では、剣士がこの星茫一心流の、古伝(こでん)とよばれる型をひろうする。

  • 氏子

    その神社を祭る地域に住む住人。とりわけその神社を崇拝し、祭りなどの神社の行事をサポートする人々のことを指す。