シロガラス 佐藤多佳子

登場人物紹介

登場人物

  • 藤堂千里
  • 藤堂星司
  • 筒井美音
  • 北川礼生
  • 三上数斗
  • 岡崎有沙

6人の子どもたち

  • 藤堂千里(とうどう せんり)

    藤堂千里(とうどう せんり) “いつの日か、 じいちゃんに勝つ! 剣で。”

    神社の娘。男まさりで正義感のつよい性格で、祖父の佐一郎から指導をうけている古武術・星芒一心流(せいぼういっしんりゅう)の達人。生まれる前に父親の真和(まさかず)を事故で亡くし、母親と祖父、叔父の真行(まさゆき)の4人暮らし。小学5年生。

    こいつって、お化け、こわいんだぜ。マジでチビるくらいビビるんだぜ。強そうなのにな。バカだろ。頭わりいし。なんも考えてねえし。バカだろ。あんなに強くなけりゃ生きてる意味ねーよな。道着きてると、ちょっとカッコよく見えるけど、顔もいいけどな、ムダだぜ、バカだからな。
    (礼生)

    北川礼生

  • 藤堂星司(とうどう せいじ)

    藤堂星司(とうどう せいじ) “フォーが、 もう少しだけ、 おれのこと、 好きになってくれないかなあ。”

    千里のいとこ。生きものが大好きで、おだやかな性格。幼いときに母親が突然いなくなってしまい、父親の真典(まさのり)と2人で暮らす。千里とは家もとなりで、たびたび行き来し、きょうだいのように暮らしている。

    ウチのビビリ犬とか、ワル猫とか、チョーチョーかわいがってる。もう、ハジもハットも、飼い主って、ぜったい星ちゃんだよね。ハジたちと本気でしゃべってるし。そのへんの虫とかにも話しかけてるよ。だから、いちばんおどろかなかったな、星ちゃんの力のことがさ。(千里)

    藤堂千里

  • 筒井美音(つつい みね)

    筒井美音(つつい みね) “なんとか、六人でなかよくできますように。こわい何かがやってきませんように。”

    白烏神社の近くに住む、千里と星司のおさななじみ。やさしくて少し気弱な性格で、むかしから千里に守ってもらっている。星司のことが好き。

    筒井さんは、クラスの女子でいちばんやさしいと思う。おれにガンバレとか言ってくれるの、筒井さんだけだし。本をよく読むから、おれより、言葉や漢字をたくさん知ってるだろうな。国語じゃ勝てないかも。あのことで、いちばんたいへんなのは、筒井さんだから、かわいそうだなって思うけど、すごいがんばってる。意外とがんばりやなんだな。(数斗)

    三上数斗

  • 北川礼生(きたがわ れお)

    北川礼生(きたがわ れお) “なんで、 子どもは、 大人の言うことをきかないといけねえんだよっ。なんとかして、大人に言うことをきかせたいぜ。”

    千里の宿敵。いくつもの武道を習っている。親がPTA会長で、クラスのボス的な存在だが、母親の選ぶビジュアル系の洋服を着なくてはいけないことをいやがっている。

    もうね、毎朝、教室で礼生サマのお洋服を見るのが、あたしの生きがい。いつも、ばっちりキメちゃってくれてるし、まあ、ビミョーににあわないし(ワラ。あんまりエラそうにしてると、今に天バツくだるよ。てか、男子はダメだから、神様がやらなければ女子がやっちゃうー? 礼生サマへのバ・ツ!(有沙)

    岡崎有沙

  • 三上数斗(みかみ かずと)

    三上数斗(みかみ かずと) “火星に人類が行くとき、そのロケットを作りたい。もっともっといちばん遠い宇宙へ行く、無人探査機も作りたい。”

    スートとも呼ばれる。両親が多忙で、駄菓子屋を営む祖母と暮らす。数学・物理に関しては天才的な頭脳をもっているが、運動は大の苦手。祖母は白烏神社の氏子総代五人衆のうちの1人。

    スートは、世界一の天才だけどさ、たぶんね、まちがいなくね。でも、スートのすごいとこは、そこじゃないんだよね。心がおれないのさ。ポキッていかないんだ。まっすぐなの。だれにも曲げられないんだ。おれ、めっちゃ尊敬してるさ。サイトウさんも、スートのこと、大好きなんだよ。好きな犬と好きな友だちが、好き同士って、うれしいね。(星司)

    藤堂星司

  • 岡崎有沙(おかざき ありさ)

    岡崎有沙(おかざき ありさ) “ほんとは逃げたいんだよね、あたし。ずっとそうだし。でも、逃げられないんだよね。”

    クラスのどの女子グループにも入っていないが、ファッション・リーダーとして一目おかれているおしゃれな女子。クールできつい性格。

    すごいオシャレだし、言うこととか、することとか、ぜんぶカッコイイし。わたしなんか、ぜんぜんバカにされてると思う。おなじ年とか、ぜんぜん思えないし。ほんとは、しゃべったりするのもコワイ人だったけど、いろいろあって、いっしょにいるようになって、ちょっとこわくなくなったかな。有沙と千里がいれば、礼生にも勝てそう。(美音)

    筒井美音

登場人物紹介

藤堂佐一郎(とうどう・さいちろう)
千里と星司の祖父。白烏神社の宮司であり、星芒一心流の当主。
藤堂真典(とうどう・まさのり)
佐一郎の次男で星司の父。白烏神社の星明石(ほしあかりのいし)の力を信じ、占い師「テンちゃん」として活躍している。佐一郎からは勘当されているにもかかわらず、たびたび神社にあらわれ怒られている。
藤堂真行(とうどう・まさゆき)
佐一郎の三男。神職をついでいる。身体はじょうぶではないが、女性的な美しい容姿で、ファンも多い。和楽器・篳篥(ひちりき)の名手。
サイトウさん
本名・斉藤一、ハジとも呼ばれる。千里の家で飼っている犬。動物好きの星司がよく世話をしている。
ハットリ
本名・服部半蔵、ハットとも呼ばれる。千里の家で飼っている猫。攻撃的に成長し、まわりが頭を悩ませている。
フォーマルハウト
あだ名はフォー。赤い目、ピンクの口ばしをもつ白いカラス。他のカラスたちにいじめられて弱っていたところを、星司たちが保護した。
森崎古丹(もりさき・こたん)
白烏神社の創建者。