編集部より

世界のこどもたちシリーズのこと

2014/01/10

「世界のともだち」シリーズは、約30年前に刊行された「世界のこどもたち」の21世紀版です。
(当時、編集メンバーのひとりだった方のお話はこちら

児童書の専門店の方などは、むかしのシリーズをよく知っていて
「あ! このシリーズ新しくなるの?」という、うれしい声をききます。

昨年の暮れに、社内で探しものをしていた編集担当者が、
「わあ!むかしのシリーズの資料がでてきた!」と言うので
いっしょに見てみたら、当時の資料が引き出し3つ分もでてきました。

写真、手書きの原稿、掲載誌、新聞広告の切り抜き、
写真展オープニングのためのケータリング伝票……
(どんだけとっておいているんだ! という感じですが)
まるでタイムカプセルのようです。

こんな資料が出てきました。
当然、手書きだった原稿の数々。

ネガをプリントしたもの。
これは『ハンガリー』のバラーシュ君の写真。

 

読者からのハガキもあり、なかには、
「ラップランドへ家族で旅行に行くので、『フィンランド』に出てくる
トオマス君の住所を教えてください。おうちに遊びに行きたいです」
なんていうのもあって、なんだかのどかです。会えたのかなあ。

 

書評コーナーを持っている方々にあてて、編集担当者が書いた
手紙のコピーもありました。

文面の一部を抜粋してみました。
……

世界を識るには、いろいろな方法があります。

例えば、身近な国、韓国の子どもが、どんな学校にいって、
どんなお昼ご飯を食べて、家に帰ったらどんな遊びをして、
それに、どんな将来を思い描いているのか‥‥等々、
基本の生活ぶりが全然伝わっていないように思われます。

子どもたちは、どんなふうに暮らしているのだろう、という
素朴な思いが、この本を作るきっかけのひとつでした。
まず、お互いのふだんの生活を識り合うこと、ここから、
相互の理解、親しみが生まれ、育つのではないか、と考えました。
確かに、ひとりの子どもでその国を代表させるというのは、無理があります。
でも、ひとりを追いかけることによって、逆に、その国の姿が
鮮明になってくる、ということも、今回の仕事で体験しました。
子どもたちには、この本から「外国」に入ってほしい、と願っています。

……

なるほど……。新シリーズをつくりながら思っていたことと、重なる部分があります。

1980年代の「世界のこどもたち」と、新シリーズとの大きな違いは、
シリーズ名が「ともだち」にかわったこと。
大人からみた「こどもたち」ではなく、同じ目線にいる「ともだち」です。

この名前のとおり、21世紀版のシリーズは、
ともだちの家の夕ごはんを見る、ともだちの部屋を見る、
そんな感覚で他の国のともだちと近しくなれるよう、工夫をしています。
中身のくわしいお話はこちらへ→なかみをちらっと紹介

 

こちらが30年前の主役たちがのった当時のチラシ。

こちらは、21世紀の新しいともだちです。

 

さて。子どもたちの顔は、30年前とくらべてどうでしょう?
これから続々刊行される本に出てくる新しいともだちを
どうぞ御見知りおきください!

 

(文・編集部 小宮山)

 

  • チェック