取材日記

プリュンヌは町の人気者

2014/03/14

きょうの取材日記は、『フランス』を撮影したMIKA POSA(ミカポサ)さんです。
主人公のプリュンヌとは、今回の撮影以前からずっと友だち
だったミカさんに、ふたりの出会いから語っていただきました!

世界のともだちシリーズのフランスを担当することになって、私がまっさきに思いついた主人公が、プリュンヌでした。

私はフランスと縁があり、毎年パリに撮影にいっているので、パリやその近郊に仲よしの子どもたちがたくさんいます。その子どもたちのなかでも、プリュンヌは、いつもいきいきと自分らしく生きているので、今回の企画にぴったりだと思ったのです。

プリュンヌとは6年前の夏に、パリの子ども服ブランドのファッションショーで出会いました。
当時、彼女はモデルの仕事をはじめるまえでしたが、子ども服ブランドの人に街で声をかけられてショーに出演していました。私のほうも、ショーの日程を直前に知ってかけつけたところだったのでいま思えば運命の出会いだったと感じています。


プリュンヌは数日後に5才になるという、まだたった4才の女の子でした。

彼女のものすごい「目力」と、おとなびた表情に引きこまれた私は、ショーのあとにお母さんに声をかけて、そこから交流がはじまりました。

出会って間もなく、プリュンヌはモデル事務所に所属し、才能を開花させ、売れっ子のモデルになりました。世界的なファッション雑誌におとなっぽいメイクで登場したり、有名デザイナーの服を着こなしたり、持ちまえのバイタリティーでさまざまな仕事をこなし、活躍の場を広げています。
子ども服ブランドの広告のために、私がプリュンヌを撮影した写真がパリの街に大きく貼りだされたときは、「こんな日がくるなんて!」と、本当に感激しました。

今回の本の撮影では、小学生らしい元気いっぱいのプリュンヌでいてくれました。
撮影によって、なにを求められているのか、自分にはどんな表現ができるのかをしっかりわかっているのは、さすがプロフェッショナルです。

出会ったころは、パリの街で待ち合わせてプリュンヌを撮ることが多かったのですが、そのうち、おうちへ遊びにいくようになりました。プリュンヌの家では、おたがいの髪をアレンジしあって遊んだり、カードゲームをしたり、いっしょにクッキーを焼いたり、食事をごちそうになったり、家族の一員のようになってフランスの生活を体験することができました。

遊びながら、フランス語もだいぶ教えてもらいました。プリュンヌは、とても厳しくて妥協を許さないので、私にとってとても良い先生です。

 

夏に遊びにいったとき、プリュンヌの家族が庭のプールに入ってのんびりくつろいでいたことがありました。その年は激しい猛暑だったのですが、ジーンズ姿の私を見ると、「ミカ、なんて暑そうな格好をしているの!すぐプールに入りなさいよ!」と言われました。

「水着なんてもってない」と私が言うと、お母さんのデルフィーヌが水着を貸してくれて、いっしょにプールで涼むことができました。日本だと、遊びにいった家の庭のプールに借りた水着で入るなんていうことは、ちょっと想像できませんが、フランス人は「遠慮しないで、いっしょに楽しんで!」と、細かいことは気にせず、楽しい時間を優先する人ばかりのように感じます。
プールで涼みながら、真っ赤なサクランボを食べた夏のことは良い思い出です。



プリュンヌの家族や、近所に住んでいる幼なじみのルアンヌの家族とは、以前から良く会っていましたが、今回の撮影を通して、プリュンヌの学校の友だちや、プリュンヌが日々の生活で関わっている町のみんなとも交流することができ、とても楽しい体験ができました。

近所の八百屋のお兄さんは、小さい頃からプリュンヌのことを知っています。そのプリュンヌが雑誌などで活躍しているのが自慢のようで、「プリュンヌは、町の人気者なんだよ!」と、うれしそうに話していたのが印象的でした。


文・MIKA POSA

MIKA POSAさんによる、『フランス おしゃれ大好き! プリュンヌ』の詳細はこちらです。

MIKA POSA

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東京生まれ。パリ、東京を拠点に活動し、街角の日常や子どもたちを撮影する。ファッションブランドのカタログや、ミュージックビデオの撮影など、幅広く活躍中。作品に『パリのちいさなバレリーナ』『パリの子どものおしゃれノート』などがある。

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