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絵本紹介 | コラム

1本の線からすべてがはじまる おほしさま かいて!

「おほしさま かいて!」といわれたら、みなさん描けますか?
1本の線からはじめて、えんぴつを下に上に動かして……。

この絵本は、ひとつの星の絵からはじまります。
絵描きが星をかくと、「お日さまかいて」と星がいいます。
お日さまは「木をかいておくれ」と。
絵描きはつぎつぎと願いをきいて、人や家を描き、世界ができあがります。

絵を描くこと、小説を書くこと……表現をするって、きっとこんなよろこびがあるのかもしれません。自分の手で天地創造をしていくことの快感を感じとれる作品です。

はじめは少年だった絵描きが、だんだん歳をとり、
最後はおじいさんになって、描いた星につかまり、夜空をとぶ……というラストに、
絵と人生をともにする作者自身が投影されているようにも思えます。

絵を描いていなくても、小説を書いていなくても、
わたしたちもひとりの「わたし」という表現者です。
それぞれに願いをかなえて、自分だけの「おほしさま」と、うっとり
夜空をとびたいですね!