工藤ノリコエッセイ「GO!GO!旅日記 ジャングルへGO!」

旅が大好きな絵本作家の工藤ノリコさんが、ジャングルに魅かれ、東南アジアのボルネオ島を訪ねました。イラストや写真もまじえた旅日記で、ジャングルの魅力をたっぷりお届けします!
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vol.48 旅のおわりにの巻

おいしい昼食のお礼をマニラ家のみなさんにのべて、われわれはふたたび舟に乗りこんだ。気持ちよく飛ばしていく舟の中から、入り江を囲む山々をながめる。 ダナンバレーの原生林に立っていたような巨木は伐採されてしまい、もうこの景色の中にはない。太陽が照り、空は青く海はきらきらと輝いていた。かつてここ にあった大きな木は、日本中の建設現場に運ばれていったのだろう。

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vol.47 バジャウ族の水上集落の巻

ここはバジャウ族の水上集落だった。バジャウ族とは、200~300年ほど前にフィリピンのスルー諸島から移住してきたイスラム教徒の漁業民族で、大昔に は、一生を船の上ですごしたといわれている。ボルネオ島に移住してきたころも、陸上にあったに芋類などを植える耕作地に寄ることはあっても、夜は家舟とよ ばれる舟で寝起きしていたという。

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vol.46 ジャングル探検の巻

マニラさんは釣りのポイントを探して、船をあちらこちらへと進めてくれる。ここは河口で、川幅がとても広い。入り江といったほうが正しいのかもしれない。

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vol.45 コタキナバルで魚釣りの巻

夕刻、プロペラ機はコタキナバル空港に到着した。海ぞいの街の空には、あざやかに赤、ピンク、むらさき色の光の帯がひろがっている。こんなにダイナミックな色彩の夕暮れの空を見るのは、はじめてだった。

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vol.44 さようならダナンバレーの森の巻

最後のトレッキングを終えてロッジにもどり、いそいで荷づくりをした。汗まみれの衣類はどうしようもないのでそのままビニール袋に入れる。ここを発ってから、今夜と明日はコタキナバルに宿泊するのでそこで洗濯することにする。

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vol.43 最後のトレッキングの巻

ジャングル滞在最終日の朝がきた。昨夜まで私たちは、今朝のトレッキングをやるべきかどうか迷っていた。昼食のあとすぐにロッジを出発する予定で、汗だくになった衣類をいつものように洗面所で洗って干してかわかす時間がないからだ。

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vol.42 夜の住人の巻

その夜はロッジですごす最後の夜だったので、もういちど、ナイト・ドライブに出かけることにした。トラックの荷台に乗っているだけで、全身で森を感じることができるナイト・ドライブが私はとても気に入っていた。

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vol.41 ジャングルのスコールの巻

午後のトレッキングの帰り道、今朝とはまたべつの河原に出て、あたりを散策していたらだんだん雲ゆきがあやしくなってきた。思えば出発前、ジャングルの雨はすごいからレインウエアは必須と教わってきたのだが、ここへ来てからまだいちどもスコールにみまわれていない。スコールどころか普通の雨も昼間ロッジにいるときに少々ふったくらいで、トレッキング中はいつもレインウエアをリュックに入れたままだった。

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vol.40 森の達人 の巻

河原からの帰り道、森の中でビビアンさんが頭上になにか見つけた。あざやかな黄緑色をした小さな丸い実が、10粒ほどのスカスカのブドウのように、房に なってぶら下がっている。「サワーフルーツ」といって、ビビアンさんは房ごとつんで手のひらにのせてくれた。すっぱくて、食べるとつかれがとれるという実 だそうで、みんなでひと粒ずつためしてみる。予想したほどすっぱすぎず、さわやかな味で、けっこうおいしかった。たしかに気分がすっきりするようだ。現地 の人びとはこれを塩漬けにしたり、チリに漬けたりして食べるのだという

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vol.39 朝の森の声 の巻

ジャングルでは自然と朝早く目がさめる。すると夜が明けきらない森の中から、かならず聞こえてくる声がある。ポーワッ ポーワッ ポワッポワッポワッ ポワワワワワ…

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vol.38 バレーボールの巻

午前中が登山に水泳にともりだくさんだったので、午後のトレッキングは軽めのコースだった。ビビアンさんが、今日はこれから従業員のみんなでバレーボール をすると言う。わたしたち宿泊客のロッジに隣接してスタッフのための居住エリアがあり、ここには住居のほかにひろい芝生のグラウンドとバレーボールコート があった。

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vol.37 人喰い魚の巻

コフィンからもとの道にもどって、ふたたび山をのぼる。傾斜がきつく、息もたえだえになんとかのぼりきると、ウッドデッキのようなテラスがあった。ここが目的地の展望台、ビュー・ポイントだ。

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vol.36 ナイト・ウォークの巻

この日は夕食のあと、ナイト・ウォークに出かけた。ヘッドライトの明かりだけで、夜のジャングルを歩くプログラムだ。ビビアンさんについて、一列になって森に入る。密度の濃い、したたるような暗やみに、虫や生きものの声、風の音など、さまざまな音が満ちている。

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vol.35 雨あがりのジャングルの巻

昼食後にロッジでのんびりしていたら、雨がふってきた。ジャングルに来てはじめての雨だ。いよいよ熱帯雨林のスコールをこの目で見られる、と期待したのだが、サーッとふってすぐにやんでしまった。

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vol.34 絞め殺しの木 の巻

ヒル・チェックをくりかえしながら森の奥へと進む。足もとをネッタイタマヤスデがとことこ歩いていた。けなげな感じがして本当にかわいい。またつかまえて、まるまらせてみる。なんどみても、よくできているなと見入ってしまう。

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vol.33  一日のスケジュール の巻

熱帯の朝の光の中、キャノピーウォークからロッジに戻ってきた。時刻は午前7時半、しかしすでに全身にもうれつな汗をかいている。シャワーをあびて、汗まみれの衣類を洗面所で洗った。

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vol.32 キャノピーウォークの巻

ジャングル2日目の朝がきた。6時半にロビーに集合し、朝もやの中を出発する。ポーワッ ポーワッ ポワッ ポワッ ポワワワワワ……

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vol.31 夜のジャングルの巻

ネッタイタマヤスデを地面に戻し、夕食を食べに食堂へ行った。お昼と同様、おいしそうなお料理がずらりとならんでいる。めいめいお皿をいっぱいにしてテーブルにつき、冷たいビールで乾杯した。

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vol.30 ネッタイタマヤスデの巻

ロッジにもどりシャワーで汗を流してさっぱりしたあと、今日到着した宿泊客全員が集まって熱帯雨林についてのレクチャーを受けた。ダナンバレーの概要から説明がはじまる。スライドを見ながらの、英語のレクチャーだ。

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vol.29 ついに遭遇の巻

レッドリーフモンキーのむれに別れをつげ、私たちはふたたびビビアンさんのあとをついて森を歩いた。「エレファント・イヤー。ぞうさんのみみ」と、ビビアンさんが指さした先には巨大化したサトイモの葉っぱのような植物があった。

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vol.28 森に満ちているもの、の巻

地面にいっぱいの落ち葉をよく見ると、葉っぱの軸だけになっているものも多い。枯れ葉がハラハラとそこかしこに舞いおちてくるわりには、日本の秋のように地面がふかふかしているわけではなく、固い。これは土壌の分解のスピードがはやいためだという。

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vol.27 森の中への巻

トランクをひらいて探検に出かける身支度をする。ついにこのときがやってきた。出発前に買いそろえた品々を、じっさいに使うときが。

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vol.26 快適なロッジ の巻

ダナンバレー・レインフォレスト・ロッジでは、朝昼晩の3食ともビュッフェスタイルの食事が提供される。ホカホカと湯気のたったスープをはじめ、マレーシア風の料理、洋風の料理などがずらりとならび、トレーを手に、どれを食べようかとソワソワしてしまう。

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vol.25 ロッジに到着!の巻

ふたたび車で出発し、橋をこえてしばらく行くと、ジェイさんの言ったとおりすぐにダナンバレー自然保護地域の標識があらわれた。景色が先ほどまでとは一変している。

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vol.24 マレー語練習会の巻

ドライバーのジェイさんは、健康そうないきいきとした25歳の若者だった。(既婚・子ども2人) 「アパカバール。ナマサヤ クドー。ビアサディパンゲル トシユキ(こんにちは。私の名前はクドーです。ふだんはトシユキと呼ばれています。)」

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vol.23 思いがけない来訪者の巻

旅の2日目は朝4時半に起床、まだ外は暗かった。約束の5時半にロビーへ降りていくと、薄闇の中、昨日空港からホテルまで送迎してくれた現地ガイドさんの他に、もう一人背中を向けて座っている人がいる。

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vol.22 コタキナバルで夕ご飯の巻

ものすごく蒸し暑いことに、急に気がついた。花冷えの日本の感覚のままでいたのだが、気づいてみると靴下をはいているのも暑い。飛行機に乗って場所も移動してきたが、同時に「夏」という季節にもワープしてきたのだった。

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vol.21 ボルネオ隊 出発!の巻 

出発の日は春の大嵐だった。笑ってしまうほどのドシャ降りの中、われわれボルネオ隊の各隊員は無事、成田空港出発ロビーに集結した。「いいものもってきました」YOさんがみんなにマクドナルドのコーヒータダ券を配る。

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vol.20 もうひとつのリスト の巻

さらに私にはもうひとつ準備するものがあった。旅の最中にYOさんが誕生日を迎えるのだ。ジャングルのロッジで「びっくり誕生日パーティー」をやろう!  と思い立つ。くるみのパウンドケーキと、それに刺すカラフルな細いろうそく、紙皿、プラスチックのナイフとフォークを持ち物リストに追加した。

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vol.19 持ちものリストの巻

ジャングル探検のための持ちものは、だいたいこのような感じになった。装備品・速乾性Tシャツ(YOさん特製『ボルネオ隊Tシャツ』)・レインウエア・折りたたみ長靴・ヒルよけ腕カバー・タオル・手ぬぐい(たくさん汗をかくので)・帽子(あごひものついたもの)・リュックサック・水筒

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vol.18 ヒルと虫よけ対策の巻

つぎはスコール対策のためのレインウェアだ。BossもYOさんも山登りをするので、いいレインウェアを持っていた。私と夫は千葉ロッテマリーンズを球場で応援するための、ビニールの雨ガッパしかなかったので、この機会にちゃんとしたものを購入することにした。

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vol.17 Tシャツ商人あらわる の巻

ジャングルを歩きまわるためにそろえなければならないものが、けっこういろいろとあった。

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vol.16 ボルネオ隊誕生!の巻

講演会から数日後、私は丸善丸の内本店にむかっていた。Bossの紹介のもと、写真家の横塚眞己人さんとお会いすることになったのだ。

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vol.15 ボルネオ保全トラスト・ジャパンの巻

絵本『バナナじま』のあとがきページにのせる文章のために、オイルパーム・プランテーションのことをもっと勉強してみます、といってBossと別れたがつぎの日、さっそくBossが情報を入手した。

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vol.14 日光のおみやげの巻

絵本『バナナじま』の担当編集者・Tさんとは長年、公私ともに仲良くしており、彼女のことを敬愛の念をこめてBossと呼んでいる(ちなみに私のあだ名はシャチョー)。

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vol.13 マイケル・ジャクソンの巻

80年代に中学・高校時代を送った私にとって、マイケル・ジャクソンの突然の死は大きな衝撃だった。ラジオの追悼番組で彼の曲を延々と聴いているうち、まったく思いがけないことに、耐え難いほどの深い喪失感におそわれてしまった。

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vol.12 バナナじまの巻

来年4月と決まった出発までの日々、私は以前雑誌に掲載したお話を一冊の本に仕立てなおす仕事をしていた。『センシュちゃんとウオットちゃんのバナナじま』という作品で、これを描くために、前述のボルネオ・海辺リゾートへ取材に行ったのだった

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vol.11 レインフォレスト・ロッジの巻

夫が見つけたのは、ボルネオ島の東南部、ダナン・バレー自然保護区にある『レインフォレスト・ロッジ』だった。ダナン・バレー自然保護区は、『森の豊かさと、そこに棲む野生動物の多さでボルネオ随一の場所』であり、『東南アジアの熱帯雨林を代表する森だ』と書いてある。

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vol.10 現実はキビシイの巻

ジスコ社のナイスガイ、安江さんご自身も入社当初、「新人研修」もかねて、ジスコ・ボルネオ旅行社に縁のある写真家の撮影に同行し、コウモリでいっぱいの洞窟に入ったり、ジャングルを歩きとおしたりと、なかなかにハードな旅を経験されたという。

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vol.9 冒険の旅のプランの巻

突然やってきて「何か冒険がしたいのですが」などと言いだす漠然としたお客(夫)に対し、親切丁寧に応じてくださったのはジスコ・ボルネオ旅行社の安江和臣さんである。YOさんと私が到着したときには、なぜかふたりともすでにうちとけた雰囲気であれこれ話しあっていた。

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vol.8 ジスコ・ボルネオ旅行社 の巻

ラフレシアTシャツを着たパンチパーマの奥さんとの遭遇から10日後、われわれは神田にあるジスコ・ボルネオ旅行社にいた。「ボルネオのことしかできませんが、ボルネオのことなら何でもおまかせ下さい」がキャッチフレーズのボルネオ専門の旅行社だ。

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vol.7 オランウータン・リハビリテーション・センター の巻

私たちが行ったときは4頭のオランウータンがくらしていた。すべて子どもで、孤児になったオランウータンを集めてトレーニングしているとのことだった。われわれ見学者はまず小1時間、ネイチャーガイドからビデオを使ったレクチャーを受ける。

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vol.6 海辺のリゾートの巻

実は、ボルネオ島の海辺の地域には私も一度行ったことがあった。この年の前年、南の島が舞台の絵本を作るため、いい取材先はないかと夫が探し出したのがボルネオ島だったのだ。

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vol.5 遣いの使者あらわるの巻

虫やヒルのことは、きっとどうにかなるだろう。刺されたり吸血されたりする不安よりも、熱帯のジャングルへ分け入ってみたい欲求がはるかに勝った。

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vol.4 ジャングルへの巻

ボルネオ島……ジャングルか!YOさんは数年前にいちど行っており、当時とてもうらやましいと思った。が、ヒルに血を吸われたという。ヒルに血を吸われる!

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vol.3 扉がひらくの巻

そのころ、私は『Letters』という絵本を偕成社の編集者YOさんと作っていた。YOさんも釣り好きで、夫がすすめた例の『世界怪魚釣紀行』を読みおえたところである。彼女は当然『オーパ!』も読んでいた。

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vol.2 『オーパ!』の巻

あるとき、釣り好きの夫が、世界の秘境に怪魚を釣りに行く本『世界怪魚釣紀行』(武石憲貴•著)を読んでいた。タイで畳2畳分もある巨大エイを、アフリカでは人の背たけくらいの大ナマズなどを釣る旅行記だが、著者が命知らずな感じのバックパッカーで、帰国後マラリアで入院したり

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vol.1 冒険に出たいの巻

冒険の旅に出たいと、つねに願っている。といって、体をきたえてヒマラヤ登頂にいどむとか、自転車で世界一周にチャレンジするとかいうことではなく、たとえば、ホビット族といっしょに竜退治に出かけたいとか、海賊になって世界の海にのり出したい、という願望である。

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