絵からストーリーがあふれる!みやこしあきこ『よるのかえりみち』

よるのかえりみち『よるのかえりみち』 みやこしあきこ 作

偕成社では『もりのおくのおちゃかいへ』以来、2作目の作品となる、みやこしあきこさんの新作絵本です! 映画のワンシーンのような印象的な絵を描くみやこしさんの、よるのしずかなお話です。

日が沈み暗くなったあと、道をあるいていると、家々の窓からこぼれる明かりのなかに人の姿や影がみえたりすることがありますね。厚い窓にはさまれているので、声は聞こえませんし、どんなことを話しているのか、何をしているのか、それは想像するしかありません。『よるのかえりみち』はそんな、よるの一瞬の人々の姿から、さまざまなストーリーを思い浮かべて楽しむ絵本です。

眠い目をこすりながら、お母さんに抱っこされて家路をたどるウサギの男の子。通りの家にならぶ窓のむこうには、電話をしている人や、さよならをしている人、ごはんをつくっている人が垣間見えます。思い思いの時間を過ごす人々の絵には、しぼられたみじかい言葉が添えられていますが、奥行きのあるその絵を眺めていると……「だれとはなしているんだろう?」「長い旅路のさよならなのかな?」「なにをつくっているのかな?」「いつものよる? それとも今夜は特別なよる?」……と、書いてある言葉以上に、自分なりのストーリーが湧きあがってきます。

じっくり1ページ、1ページをめくって絵を読んでほしい1冊。
ぜひ、しずかな家のなかで時間をかけて読んでみてくださいね!

 

著者紹介
作:みやこしあきこ
1982年生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。在学中「日産童話と絵本のグランプリ」で優秀賞を受賞。また卒業制作で、同学科研究室賞を受賞。印刷会社勤務後、現在はイラストレーターとして活動中。2009年に初の絵本『たいふうがくる』(BL出版/日産童話と絵本のグランプリ大賞受賞作)を出版。他の作品に、『もりのおくのおちゃかいへ』(偕成社/日本絵本賞大賞)、『のはらのおへや』(ポプラ社)、『かいちゅうでんとう』(福音館書店)など。