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つちはんみょう

つちはんみょう
つちはんみょう
つちはんみょう

作・絵:舘野鴻

ツチハンミョウは、「道教え」として知られる美麗な「ハンミョウ」と異なり、地味で目立たない控えめな虫です。その繁殖方法は独特で、4000個の卵から生まれる体長1ミリにも満たない小さな幼虫は、寄生先となるハチの巣にたどりつくため、いろいろな虫にとりついていきます。わずか4日という寿命の中、種の存続のために決死の旅をする幼虫たちの道程を、緻密かつ力強いタッチで描きます。
物語の最後では、ようやくたどり着いた巣の中で対峙する、2匹の幼虫たちが描かれます。そのすがたは、わたしたちにいのちのあり方について考えさせます。 ツチハンミョウについては『ファーブル昆虫記』にも記述がありますが、この本の主人公で日本固有種のヒメツチハンミョウについては、あまり知られていませんでした。著者の舘野さんは、その生態を解明すべく、8年にも及ぶ生態調査を行ない、その一部を明らかにしました。巻末の解説では、その調査のようすや、生態のくわしいようすを、臨場感のある写真を交えながら紹介します。

衝撃のデビュー作『しでむし』や『ぎふちょう』などのうつくしい細密画で知られる、著者渾身の新作絵本。

サイズ(判型)
29cm×25cm
ページ数
40ページ
発売日
2016年 04月
ISBN
978-4-03-437070-4
Cコード
C8745
NDC
486

定価: ¥2,160

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メッセージ・感想

編集者より

舘野さんに連れられ、はじめて秦野の山を歩いたのは、2013年の初夏でした。見慣れた風景の林でも、這いつくばって目をこらすと、じつにたくさんの生きものが、それぞれに暮らしているすがたが見えてきます。おなじ林のなかに、膨大な数のいのちが同時に存在しているというあたりまえの事実を、そのときはじめて、実感をもって感じることができたのを覚えています。
『つちはんみょう』の主人公の幼虫は、1ミリにもみたない、芥子粒みたいな幼虫です。それは、地球全体、宇宙全体からみたわたしたちのすがたに近いかもしれません。そんな幼虫1匹1匹に、それぞれの旅、人生があり、死があり、そして生がある。そんなことを、舘野さんは深い慈しみをもって、ひたすらに坦々と描き出していきます。
この本には、舘野さんがつちはんみょうと過ごし、思考した歳月が地層のように積み重なっています。命とはなんなのか。そんな根源的な問いをわたしたちに想起させるような、とんでもない絵本ができました。衝撃のデビュー作『しでむし』、林の1年を描いた『ぎふちょう』とあわせて、ぜひご一読ください!

 

舘野鴻

舘野鴻

1968年、神奈川県横浜市に生まれる。札幌学院大学中退。幼少時より熊田千佳慕氏に師事。1986年北海道へ渡り、昆虫を中心に生物の観察を続けるが、大学在学中に演劇、舞踏、音楽と出会い舞台に上がる。その後舞台美術等の仕事をしながら音楽活動と昆虫採集を続ける。1996年神奈川県秦野に居を移してからは、生物調査の傍ら本格的に生物画の仕事を始め、図鑑や児童書の生物画、解剖図プレートなどを手がける。絵本に『しでむし』『ぎふちょう』『こまゆばち』(澤口たまみ・文)、生物画の仕事に『ニューワイド学研の図鑑 生き物のくらし』『ジュニア学研の図鑑 魚』『21世紀幼稚園百科 新版 動物』などがある。

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