演奏会まであと10日しかないのにゴーシュはどうしてもセロをうまく弾けません。音楽の心を描いた表題作ほか小学校中学年から読める賢治童話13編を収録。
収録作品:「どんぐりとやまねこ」「やまなし」「さるのこしかけ」「よだかの星」「虔十公園林」「祭りのばん」「ざしき童子のはなし」「オツベルとぞう」「まなづるとダァリヤ」「いちょうの実」「気のいい火山弾」「雨ニモマケズ」「セロ弾きのゴーシュ」
1896年岩手県花巻市に生まれる。盛岡高等農林学校農芸化学科卒業。十代の頃から短歌を書き始め、その後、農業研究家、農村指導者として活動しつつ文芸の道を志し、詩・童話へとその領域を広げながら創作を続けた。1924年に詩集『春と修羅』と童話集『注文の多い料理店』を事実上の自費で出版するが、彼の作品のほとんどは、没後に高く評価された。1933年に37歳で病没。