8歳のときに、アスペルガー症候群と告知を受けた著者が、「アスペルガーの心」(1)(2)では、自らを客観的にとらえ、アスペルガー症候群がどういったものかを明解に描きだした。それはみごとな自己分析だった。3巻目は、著者が敬愛する先生、らぶちゃんのことを、愛情たっぷりに表現したユニークな絵本。らぶちゃんは、どこかヘンだけれども、そのヘンなまま、まるごと愛しているといった熱烈なラブコール。これは著者が中学生のときの作品だが、前回の自己分析から、他者である「らぶちゃんのまんま」の姿を見つめ、受けとめるといった他者理解へと育っている。それはだれにとっても新しいつながりの可能性を感じることができるメッセージをもっているでしょう。
21世紀が始まる少し前に誕生。6歳でアスペルガー症候群と診断、8歳で告知を受け「アスペルガー症候群が犯罪をおかすしょうがいではない事を証明する大人になる」と心に決める。趣味は絵本を作る事。怒る人が大の苦手。かわいい妹たちをこよなく愛する。とにかくフツーじゃない女の子。
こんな先生が近所にいたらいいな。らぶちゃん先生に、きっと会いたくなります。自閉症スペクトラムしょうがいのひとつ、アスペルガー症候群は、やっぱり「しょうがい」ではなく、「個性」なのだと思います。