前作『アイちゃんのいる教室』では、1年生になったアイちゃんと、そのクラスのようすを描いた。アイちゃんはダウン症で、他の子より小さくて、力も弱く、友だちにできることができないこともある。でもそんな先入観は子どもたちには無縁で、みんなあたりまえのように手をさしのべた。3年生になると、クラス全体の意欲が高まる場面で、アイちゃんが浮いてしまうこともある。そんなクラスのみんなが、1年かけて、担任の佐々木先生と一緒に「仲間とは何か」という難問と格闘する。秋の学芸会の脚本を作りながら、共に考え続けた1年間。まさに「アイちゃんのいる教室」全員が主人公の、子どもたちの力を感じるドキュメンタリー写真絵本。
1973年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。読売新聞社入社。盛岡支局、東京本社を経て、現在は東北総局(仙台市)。『赤ちゃんの値段』などの著書がある。
子どもたちってすごいな。この本におさめられている、生の子どもたちの声と表情を見ていると、そう思わずにはいられません。いつだって、先入観を与えるのは大人たちなんだなあ、きっと。