へんたこさんは、たこですが、自分の夢をかなえて、ほんものの船長になりました。いまでは、へんたこせんちょうとよばれています。
へんたこさんは、たこですから、海のことならなんでも知っている、はずだったのですが、ある日、とんでもないできごとに遭遇します。
船の何倍も大きい、くらげの王さま。船をとりかこんで動けなくするほどの、ちびくらげの大群。海はふしぎなことだらけです。
1957年、東京に生まれる。早稲田大学教育学部卒業。大学在学中より絵本の創作をはじめ、1987年に『みんながおしゃべりはじめるぞ』でデビュー。日常をみつめるユニークな発想から生まれた、ユーモラスであたたかみのある絵本や童話が幅広い読者から支持されている。『ルラルさんのにわ』(絵本にっぽん賞)『おさるのまいにち』『おさるはおさる』(路傍の石幼少年文学賞)『おさるのもり』(野間児童文芸賞)『くもくん』(日本絵本賞読者賞)『だいじょうぶ だいじょうぶ』(講談社出版文化賞絵本賞)など受賞多数。
へんたこさんはたこなので、海のことなら、自分の足のきゅうばんぐらい、よーくしっているつもりでした。ところがどっこい、この広い海には、自分の頭のうしろがわのように、へんたこさんでもなかなか見られない、ふしぎなことが、そっとかくれているのです。さてさて、そのふしぎなこととは、いったいぜんたいなんでしょう?
いとうひろし